日本の三菱重工は7日、事業の採算性が見込めないことからリージョナルジェット「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の研究開発を断念すると発表した。これは10年以上の時間と巨額の研究開発費を費やし、設計ミスなどの理由により何度も交付が延期された、日本国産初のリージョナルジェットプロジェクトの開発が失敗に終わったことを意味する。
三菱重工の泉澤清次社長は、同日午後に東京で開かれた会見で、「スペースジェットは最新技術と比べて競争力が低下している。数十年にわたる運航を考えると、これから投入する機体にはSAF(持続可能な航空燃料)への対応、電動化など脱炭素の選択肢を考慮する必要があるが、設計の見直しが必要だ。型式証明を取得する作業を続けた場合は今後数千億円の資金が必要だが、採算性は非常に厳しい」と述べた。
スペースジェットの主要目標市場である米国では、リージョナルジェットの規制が緩和されておらず、海外の提携先からの協力が保証されない。三菱重工はこれらを受け、同プロジェクトに採算性がないと判断した。
スペースジェットの設計・研究開発は三菱重工業の子会社である三菱航空機が担当。プロジェクトは2008年に始まり、当初は2013年の交付を目指していたが、技術的な問題などにより交付が6回延期された。同プロジェクトの研究開発は2020年秋から、事実上の凍結状態になっていた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年2月9日