日本の岸田文雄首相は4月29日から5月5日にかけて、エジプト、ガーナ、ケニア、モザンビークを歴訪する。これは岸田氏の首相就任後で初のアフリカ訪問で、日本の首相の7年ぶりのアフリカ訪問でもある。岸田氏はアフリカ事業を持続的に強化し、日本の戦略全体におけるアフリカの地位を高めようとしているが、その目標達成はほぼ不可能と見られる。
(一)日本版の「インド太平洋構想」のアフリカでの推進には構造的な壁が存在する。同構想は中国に対抗し中国を排除する戦略的な色合いが強く、「立場表明」はアフリカ諸国の利益に合致しない。第7回アフリカ開発会議(TICAD7)の「横浜宣言」には「インド太平洋構想」が書き込まれたが、日本との海洋安全協力を強化しようとするアフリカ諸国の狙いは海賊取締などの海上法執行能力の強化にあり、日本の狙いは中国けん制にあった。そのためアフリカ諸国が日本と完全に足並みを揃えるのは困難だ。
また日米同盟の変化が加速し、日本版「インド太平洋構想」が日増しに米国化し、閉鎖的になっている。同構想の米国との違いを強調するため、日本は「アフリカカード」を切ることで戦略的な圧力を弱めようとしていた。ところが中米の競争の激化に伴い、米国に協力するため、日本版の同構想におけるアフリカの地位が低下している。岸田氏は3月20日のインド訪問中に、東南アジア、南アジア、太平洋諸国を重点とする「インド太平洋構想」の新計画を発表した。これはその戦略的な重点地域が徐々に米国と同じ方向に向かい、アフリカを利用しその戦略的な自主性を高める努力がさらに日米同盟の制限を受けることを示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月5日