『あなたの目標とする人は誰ですか？』よくインタビューで聞かれる質問だ。好きな俳優は沢山いる。例えば姜文さん、香川照之さんなどなど。

でも目標となると、北野武さんのような方が目標だ。と言っても『将来監督をしたい！』という希望はないが…(笑)　中国の視聴者に北野武さんの印象を聞けば、『撮影の手法が斬新！』又は『日本の優秀な監督』とみんなが口をそろえて言うだろう。勿論、監督としての才能は言うまでもないが、僕は北野武さんの俳優としての部分、そしてお笑い芸人の部分を未だに兼ね備えている所に惹かれる。報道番組のコメンテーターとして出演しながら、時折被り物や着ぐるみを着たり、おちゃらけなメークをしてコメントしたりする。中国の視聴者がもしそういう北野武さんを見たら、恐らく『これが≪HANABI≫の北野監督なのか？！』とびっくりすることだろう。中国の芸能界には北野監督のような存在の監督はいないだろう。

もし監督という部分を取り除いたとしても、北野さんの狂気且つ殺気ある俳優としての顔、そしてテレビ番組の中でのちょっとお茶目でボケた突っ込みをする芸人としての顔、この両極端の2面性のある俳優も中国には恐らくいないだろう…テレビのバラエティ番組で、上から突然彼の頭に金属のたらいが落ちてくると、『痛っ痛っ痛っ！』と本人は照れ笑い。。どこにカンヌで受賞した監督がたらいを生放送中に落としていいと了承するか？(笑)　そういう彼の姿を見て、逆に僕は彼に対してかっこよさを感じる。演技の時とバラエティの時の究極の完全間逆。これが僕が目標としている存在だ。バラエティの時はいつまでもバカしていたいし、役者の時はとことん役にのめり込みたい。目標とする存在。そのような夢を抱くのもいいだろう。夢は逃げない。逃げるのは人間。逃げさえしなければ少しずつ近づけるはず。。。

「中国網日本語版（チャイナネット）」 2011年6月3日