中国雲南省・昆明でのドラマ撮影もあと少しとなった。中国でのドラマ撮影は実に過酷だ。毎日朝7時出発し、夜は12時頃までというのは日常茶飯事。特にスタッフ達は大変だ。若いとはいえ、過酷な撮影環境、過酷な労働時間を毎日こなしていて、毎度彼らの精神力には感服する。しかし、時にはこういうこともある。ある日、一人の若い男性スタッフが横になってロケバスで寝ているのを発見した。最初は「また春節で楽しくなって酒飲みすぎたんだろうと思って気にしなかった。そうこうしてるうちに、「浩二さん、出番です！」と呼ばれ現場へ向かった。約2時間後、車の中に戻ると、さっきのスタッフが顔を真っ赤にしながら辛そうに椅子にもたれかかっていた。「どうしたの？しんどいの？」と聞くと、「日射病。。少し辛い。。。」と力なさそうな声。「これはヤバイ！」と思い彼のおでこに手をあてると冷たい。すぐさま現場指揮のスタッフに言うと、なぜか積極的でない反応。その優柔不断な態度に少し腹をたて「万が一、彼になんかあったら君の責任って言うぞ！早く手配しなさい！何やってんだ！」と言うと、運転手の叔父さんが「下の者にはみんなこうなんだ。上の者が何かあったら違うんだけどね」と。。上だからどう、下だからこうという問題ではない。みんな一人の人間だ。それは日本人であれ、中国人であれ一緒。。もっともっとみんなで助けあわないといけない。陰に隠れてるような存在を無視するのはマズイ。実はこういうのもごく普通の感覚なんだと思う。普通であるべきというのか。この普通の感覚を失わない事が何よりも大事なこと。“普通”を見て見ぬふりではなく、即座に反応するごく普通の行動。そういうものにすぐ熱くなりやすい自分ではあるけれど。。自分の信念に基づいて熱くなれるものなら、それはそれで良いことではないか。そうあり続けたいと思う。

「中国網日本語版（チャイナネット）」　2011年6月3日