(六)環境対策を強化し、グリーン発展の新たな進展を促す。人々の健康と持続可能な発展に大きく関わる汚染対策・環境保護を強力に推し進め、決意を固めて経済発展と環境改善の両立の道に踏み出さなければならない。
スモッグ対策と水質汚濁対策をいっそう強化する。今年度は、化学的酸素要求量(COD)とアンモニア性窒素排出量をそれぞれ2%、二酸化硫黄と窒素酸化物(NOX)の排出量をそれぞれ3%減らし、重点地区の微小粒子状物質(PM2.5)の濃度を引き続き低下させる。石炭燃焼による汚染物質の排出と自動車の排ガスの削減に尽力する。クリーンで効率的な石炭利用を強化するとともに、生活用石炭の使用を減らし、電気・ガスによる石炭代替を推し進める。石炭火力発電所の省エネ・超低排出目的の技術改良を全面的に実施する。強制的基準に合わない石炭ボイラーの廃棄を急ぐ。天然ガスの供給を増やし、風力・太陽光・バイオマスなどのエネルギー開発支援策を充実させ、クリーンエネルギーの割合を引き上げる。ワラの資源化・総合利用を奨励して野焼きを規制する。自動車用ガソリンの国家第5段階基準を全面的に普及させ、黄標車(排ガス基準をクリアしていないことを示す黄色いラベルが貼られている車)や旧型車を380万台廃棄する。重点地域で大気汚染共同対策を実施する。都市部の汚水処理施設の整備と改良を全面的に推し進め、農業ノンポイント汚染・流域水環境総合対策を強化する。工業汚染源対策にいっそう力を入れ、汚染物質排出企業に対しオンラインモニタリングを全面的に実施する。環境保護関連政策措置の実施状況の監察を強化し、賞罰を明確にする。新たに改正された環境保護法を厳しく執行し、汚染物質を超過排出もしくは不法排出している者を法律に基づいて厳しく取り締まり、こういった違法行為を野放しにしている者についても法律に基づいて責任を厳しく追及しなければならない。
省エネ・環境保護産業を大いに発展させる。グリーン・環境保護基準の適用範囲を広げる。サポート政策を充実させ、省エネ・環境保護の先端技術・設備の普及をサポートし、契約型エネルギー管理(ESCO事業)と環境汚染処理の第三者への委託を押し広め、建築物の省エネ改築にさらに力を入れ、伝統的製造業のグリーン化を加速させる。全国民省エネ・節水キャンペーンを展開し、ゴミの分別処理を推進し、再生資源のリサイクルネットワークを整備し、省エネ・環境保護産業をわが国の発展の支柱産業に育て上げる。
生態系安全保障壁の建設を強化する。生態保護補償の仕組みをより完全なものにする。天然林の商業伐採を停止し、新たな草原生態系保護補助奨励政策を実施する。地下水超過採取地の総合対策の試行作業を推進し、湿地など生態系保護・復元プロジェクトを実施し、砂漠化・石漠化・水土流出対策を引き続き進める。環境保護は国民一人一人の責務である。すべての社会構成員は自ら進んで行動し、「美しい中国」づくりに貢献しなければならない。