(五)新たなハイレベルの対外開放を推進し、協力・ウィンウィンの実現に力を入れる。国際経済協力・競争の枠組みの本質的な変化に対処し、国内経済の質・効率・レベルの向上という差し迫った要請に応えるには、揺るぐことなく対外開放を拡大し、開放の中で発展の新たな原動力を増強し、改革の新たな推進力を増大し、競争の新たな優位性を生み出さなければならない。
「一帯一路」建設を着実に推進する。国内の地域開発・開放と国際経済協力を統一的な計画に基づいて進め、陸上経済回廊と海上協力拠点を共同で築き上げ、インフラ相互連結、経済貿易協力、人的・文化的交流を推し進める。沿線諸国間の「大通関(現代的管理・技術等の導入による通関業務の最適化・効率化)」協力の仕組みを構築し、国際物流大動脈を整備する。国境沿い経済協力区、クロスボーダー経済協力区、オフショア経済貿易協力区の建設を推進する。ともに討議し、ともに建設し、ともに享受する原則を堅持し、「一帯一路」が平和・友好の紐帯、共同繁栄への道となるようにする。
生産能力をめぐる国際協力を拡大する。企業を主役、政府を推進役に、市場化された運営方式をとる方針を堅持して、一連の重要モデルプロジェクトを実施する。財政・租税・金融支援策の徹底と充実をはかり、人民元建てオフショア協力基金を設立し、二国間生産能力協力基金を活用する。設備・技術・規格・サービスの海外進出を促し、中国製造というブランドを磨く。
対外貿易の革新・発展を促進する。外需の持続的低迷という厳しい情勢に対応すべく 、多様な措置を同時に講じて 、輸出入の下落傾向を食い止めなければならない。①政策の徹底と充実を急ぐ。輸出割戻し税の税率構造を最適化し、還付金の即時全額返還を確保し、還付金の騙し取りを厳しく取り締まる。短期輸出信用保険の規模を拡大し、プラント輸出向けの融資に必ず保険をかけることとする。②ビジネスモデルの刷新を奨励する。クロスボーダー電子商取引の試行範囲を拡大し、企業が電子商取引関連輸出製品の「海外倉庫」を数多く整備するのをサポートし、対外貿易総合サービス企業の発展を促進する。③貿易構造を最適化する。サービス貿易の革新・発展のテスト作業を展開し、サービスアウトソーシング受注モデル都市を増やし、文化産業の対外貿易の発展を急ぐ。税関特別監督管理区域(保税区や再輸出区などの特区)の整理統合をいっそう進め、加工貿易の中・西部地区への移転と、産業チェーンのミドル・ハイエンドへの伸長を促す。④貿易円滑化を促進する。国際貿易の税関手続きの「窓口の一元化」を全面的に押し広める。輸出品の検査率を引き下げる。⑤より積極的な輸入政策を実施する。先端技術・設備、重要部品、緊急に必要なエネルギー・原材料の輸入を拡大する。
外資利用の水準を高める。投資の参入条件を引き続き緩和し、サービス業と一般製造業の開放を拡大し、外商投資企業の設立手続きを簡素化し、外資の誘致に力を入れる。内陸部と国境地域の対外開放モデルを刷新し、新たな国際市場志向型産業クラスターをつくり出し、外資が中・西部地区へより多く投資されるよう導く。自由貿易試験区の試行作業を広げる。開発区の体制・仕組みを刷新する。われわれはより公平・透明・予測可能な投資環境を整え、中国を終始外国資本の魅力的な投資先にしなければならない。
FTA戦略の実施を加速する。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の妥結を積極的に促進し、中日韓FTAなどの交渉プロセスを速め、中米、中欧投資協定の交渉を推し進め、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に関連する課題についての共同の戦略的研究を強化する。われわれは関係各国・地域とともに、貿易・投資の自由化を促進し、均衡・ウィンウィン・包摂を旨とする国際経済貿易体系を構築していきたいと考えている。