深海は人類が最も遅く知った世界であり、現在も多くの科学の謎が残る。
深海掘削:海底から地球をうかがい探る
地殻が最も薄い場所は海底である。半世紀あまりにわたり、深海掘削は世界的な「地学革命」を起こしている。
1960年代に発展した深海掘削技術は、地球の科学研究の「重要な扉」を開いた。1968年に開始した国際深海掘削計画は現在、地球・海洋科学分野で最も影響力のある国際共同研究プロジェクトになっている。深海掘削は一連の科学研究において功績を立てた。
中国が1998年に国際深海掘削計画に参加して以降、100人以上の科学者が米国のジョイデス・リゾリューション号に上がり海洋掘削に参加した。現在、中国の科学者が中心となって行う第3回南中国海大洋掘削は終盤にさしかかっている。今回の深海掘削は4カ月にわたり、中国の南中国海北部で2回の任務を実施し、13カ国から66人の科学者が参加。中国科学院南海海洋研究所の孫珍研究員と同済大学の翦知湣教授がそれぞれ中国の首席科学者を担当した。
中国の深海掘削について、国際深海掘削計画・中国人専門家諮問委員会は3段階の戦略的プランを打ち出した。第1段階は2014~2017年に中国人科学者を中心とする「整合的プロジェクト提案書」を実現。第2段階は2018~2020年に中国が国際大洋発見計画を自主組織し、新しいボーリングコア研究センターを建設。第3段階は次世代の掘削船を建造。中国の深海掘削はこの3段階の戦略的プランに基づき安定して進められている。