温度調整が技術の難点
「嫦娥4号」は地球から38万キロ離れた場所に降り立つ。月面は真空状態で、昼間の温度は100度以上、夜は零下100度以下になり、そのうえ微重力、太陽からの強い放射線、活発な粒子の衝突などにより、実験は多くの困難に見舞われることが予想される。
謝更新氏によると、科学普及ペイロード「月面小型生態圏」の難点は温度調整とエネルギーの供給である。宇宙船から容器に電力を供給することはできないため、自分でエネルギー問題を解決しなければいけない。容器内の温度を維持するため、「月面小型生態圏」に服を着せて空調を取り付けた。しかし、この空調は一般的なものと異なり、重慶大学の建築物温度調整技術を応用して開発された新型の空調である。ソーラー電池を利用して温度を調整し、「月面小型生態圏」やカメラなどの電力を消費する機材を作動させる。
発射準備から月面上陸まで約2カ月ある。動植物がその間に生長しないように、研究チームは大量の実験を行い、動植物を途中で眠らせ、月面到着後に覚醒させるようにした。謝更新氏によると、打ち上げ後は人による操作ができず、カメラとセンサーで観察するだけになる。研究チームは動植物の生長過程を映像で観察し、センサーで中の温度を測り、世界に中継するという。
この科学普及ペイロードは2年以上の実験期間を経て今年9月に正式に完成し、来年末に打ち上げられる。重慶大学のほか、湖南大学、北京航空航天大学、中国航天科技集団などの大学と企業が参加し、機械、抑制、環境、生物、材料、エネルギーなどの複数の学科が関わり、その多くの技術が民間利用される。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年6月26日