中国人民大学老年学研究所の杜鵬教授は、北京で開かれた第8回「アジア大地区老年学・老年医学大会」で、農村を中心とするアジアの高齢化が、アジア各国に医療・年金など多くの方面で試練をもたらすことになると指摘した。「中国新聞網」が伝えた。
杜教授は「アジアは世界で最も高齢者が多く、農村の高齢者が最も多い地域でもある。アジア農村の高齢化現象と農村の高齢問題の解決は、全局面を左右するほどの影響を全世界におよぼす」と述べた。
60歳以上の高齢者は全世界に7億500万人おり、世界人口の10.7%を占める。このうちアジアは3億8500万人で、世界の高齢者全体の54.7%を占める。現在アジアでは年3%のスピードで高齢者が増加しており、また、アジア人の60%は農村に居住している。
杜教授は「アジア諸国では現在、農村部の高齢化が都市部を上回る現象が普遍的に見られ、各国が同様の試練に直面している。まず、農村で扶養の必要な高齢者の比率が高まり続け、高齢者のケアの問題が重みを増していく。次に、都市化と工業化によって家族成員間の関係が弱まり、高齢者の社会的ネットワークに変化が生じる。第3に、高齢化は農村の労働力構造に重大な影響をおよぼす。第4に、高齢化は、農村の高齢女性問題の深刻化を招くおそれがある。第5に、高齢者の割合が急激に高まることで、農村の公共衛生・健康システムが負担に耐えられなくなる」と指摘した。
「人民網日本語版」2007年10月25日