北京市民にとって、上海観光は、週末に郊外の区や県を訪れるように容易になった。上海市民が北京での会議に出席する場合も、早朝に列車に乗り、午後の会議に出席し、夜に戻ることができるようになった。
公共交通化の利便性が庶民の暮らしにもたらす変化は経済発展を直接促すものとみられている。京滬高速鉄道の両端は首都経済圏と長江デルタ経済圏という二大経済圏に連絡している。沿線地帯は中国のなかで経済が最も発展し、潜在力が最も大きい地方で、中国の経済総量の40%以上を占めている。大まかな試算によると、年間旅客取扱数は数億人にのぼる。
京滬高速鉄道沿線の24の駅は、大部分が新規建設された駅で、騰州東、定遠、丹陽北の3駅は、県クラスの都市にある。公共交通化された鉄道が多くの旅客を送り込むのにともない、新駅を中心とする振興経済区が誕生する見込みだ。
現地政府は京滬高速鉄道が通過する滄州西、蚌埠南、蘇州北周辺を開発する計画をすでに策定しており、これらの都市は高速鉄道駅を中心に、ビジネス、不動産、教育、科学技術、文化、レジャーを一体化した経済発展地帯を構築する計画。
高速鉄道は中国と中国人の暮らしを変えつつある。現在、環渤海地区、長江デルタ地区、珠江デルタ地区が高速鉄道網の建設を進めている。2012年までに「四縦四横」を中核とする全国的な高速鉄道網が基本的に完成し、人口50万人以上の都市の70%、7億人あまりの人口をカバーし、北京と一級行政区の首府が8時間以内で結ばれることになる。
「新華網日本語=中国通信社」 2011年7月2日