読者の投稿:農村の環境衛生について

japanese.china.org.cn  |  2009-02-19

読者の投稿:農村の環境衛生について。私は偶々縁があって、広州市と山西省という経済発達地域と未発達地域における農村(いずれも比較的貧困の村)を見ました。両者ともに共通することですが、物質的な状況(最も根本的には食糧問題で、最近は家電製品ですが)はこの数年間で随分と向上しており、また、学校施設の整備や道路の舗装化等も進んでいるようです。しかし、ゴミ処理や害虫対策、トイレ等環境衛生に関しては、未だ着手すらおぼつかない状況という印象を受けました…

タグ:環境衛生

発信時間:2009-02-19 10:48:21 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

昨日はバレンタインでしたね。広州は連日30度近く。春を感じる間もなく夏の蒸し暑さでウンザリしていますが、街のレストランや映画館は若い(多分大学生でしょう)カップルで溢れ、彼らの幸せそうな顔を見ていると、羨ましいような情けないような(2学期が始まるのに勉強もしないで!)複雑な気持ちになりました。

ところで、今日チャイナネットを覗きましたら、「両大会のスポークスマンに質問しよう!」というコーナーがありましたので、「農村の環境衛生について」ということで質問を書かせていただだきました。

具体的にはゴミ問題です。個人的な体験から申し上げて恐縮ですが、私は偶々縁があって、広州市と山西省という経済発達地域と未発達地域における農村(いずれも比較的貧困の村)を見ました。両者ともに共通することですが、物質的な状況(最も根本的には食糧問題で、最近は家電製品ですが)はこの数年間で随分と向上しており、また、学校施設の整備や道路の舗装化等も進んでいるようです。しかし、ゴミ処理や害虫対策、トイレ等環境衛生に関しては、未だ着手すらおぼつかない状況という印象を受けました。共同のゴミ集積や処理施設がなく、ゴミに関する教育や知識の普及もなく、政府の取組も不明瞭です。のどかな農村のあちこちにゴミが散乱する光景は心が痛みます。現在のところ紙ゴミや生ゴミが主ですが、今後農村に家電製品が普及するにつれ、有害な家電ゴミも増えるでしょう。現在の状況を野放すれば、農村の景観だけでなく、水源や土壌を汚染し、住民特に子供の健康を侵し、ひいては農村と農業そのものを破壊することになるでしょう。

私は日本で環境衛生行政を担当していたことがあります。日本の都市郊外や農村もゴミによる環境破壊に悩んでいます。しかし、熱心なお年寄りや、小中学校を中心とする住民の長年にわたる熱心な取り組み(具体的には、定期的なゴミ拾いなのですが)により、美しい地域社会を回復、維持できるよう努力しています。

日本の場合、各地域に住民による環境衛生組織があり、政府は彼らをサポート(活動の後援、補助金の支給、広報活動への協力等々)する形で環境衛生を行っています。例えば、毎年5月3日(ゴミの日)を含む数日間を環境衛生週間とし、全国一斉に環境美化活動をします(現在でもやっているはず。)。地域社会や小中学校で地元の環境美化運動(ゴミ拾い)を行い、地域への愛着と環境衛生意識の向上を図るわけです。美しい故郷を守り、子孫に残したいということで、活動は地元に長く住んでおられるお年寄りが中心なのですが、都市化が進み地域社会の絆が弱まる中で、活動の後継者問題が最大の悩みです。また、昨今の財政難と行政改革の煽りで、政府の補助がどんどん尻すぼみになっているのも悲しいところです。

私は、このゆな活動を中国でも行うとよいと思います。中国は地域組織がしっかりしていますし、小中学校の教育も熱心ですから、きっと素晴らしい成果を上げることができるでしょう。長老や子供がゴミを拾っている傍で、年少者や子供の親たちが平気でゴミを捨てるわけにはいきませんから。百万にも上る未就職の大学生には、社会活動の一環としてゴミ拾いをポイントに数えるのもいいと思いますし、広州市などは、晴れて「環境衛生都市」になった上に、来年はアジア大会もありますから、これを機会に市を挙げて農村の隅々まで「ゴミゼロ活動」をしてほしいものです。もちろん私も参加しますよ。

もしすでに実施しているとしたら、私の勉強不足なので申し訳ないですが、環境衛生行政について、今後中国でどのような取り組みをしていくのか、とても関心があり、また期待しているところです。

 

2009年2月15日 宮田聡美

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