三 小康社会の全面的な実現と改革開放の全面的な深化に向けた目標
国内外の情勢を全般的に見れば、わが国は今もなお大きく発展できるという重要な戦略的チャンスの時期にあることがわかる。われわれはこの重要な戦略的チャンスの時期における中身と条件の変化を的確に判断し、チャンスを全面的にとらえて、冷静に挑戦に立ち向かうとともに、イニシアチブや優位を獲得し、未来をかち取り、二〇二〇年までに全面的に小康社会を実現するという壮大な目標の達成を確保しなければならない。
わが国の経済社会の発展の実情に基づいて、第十六回、十七回大会で確立された全面的な小康社会づくりの目標を踏まえ、新たな要請に応えるよう努力しなければならない。主な目標は次のとおりである。すなわち、経済が持続的かつ健全に発展し、経済発展パターンの転換に大きな進展がみられ、発展の均衡性、調和性、持続可能性を明らかに強めた上で、GDPと都市・農村住民一人当たりの所得・収入が二〇一〇年度に比べて倍増する目標を達成すること、人民民主が絶えず拡大し、文化のソフトパワーが著しく強まり、人民の生活レベルが全面的に向上し、資源節約型社会、環境にやさしい社会の構築が大きな進展を遂げることである。小康社会を全面的に実現させるには、さらなる政治的勇気と英知をもって、時機を逸することなく重要な分野の改革を深め、科学的発展を妨げるすべての思想・意識および体制・仕組み上の弊害を断固取り除く一方、システムが完備し、科学的で規範化され、効果的に運営できる制度体系を確立し、各方面の制度がさらに成熟し、定型化するようにしなければならない。
計画通りに小康社会を全面的に実現することはきわめて重い任務であるが、全党の同志は刻苦精励の姿勢で仕事に取り組み、粘り強くたたかわなければならない。国は農村および中・西部地区に向けて支援をよりいっそう強化し、これらの地区が改革開放を速め、発展の能力を強め、人民の生活を改善する取り組みをサポートする。条件が整った地方が現代化建設の中で引き続き先頭に立ち、全国の改革・発展により大きな貢献をするよう奨励する。