第18回党大会における胡錦涛氏の報告（要旨）
第18回党大会における胡錦涛氏の報告（要旨）。
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七 民生の改善と管理の革新を進める中で社会建設を強化する
社会建設を強化することは社会の調和と安定を守るための重要な保証である。必ず最も広範な人民の根本利益を擁護する次元から、基本的公共サービス体系の充実化を加速させ、社会管理を強化し、革新し、社会主義の調和のとれた社会づくりを促進しなければならない。
社会建設を強化するには、民生の保障と改善に重きを置かなければならない。人民の物質・文化的生活の水準を高めることは、改革開放と社会主義現代化建設の根本的な目的である。民生のために利を多く謀り、民の憂いごとを多く解き、人民が最も関心を持ち、最も身近で、最も現実的な利益にかかわる問題をよりよく解決して、教育や所得・収入、医療、養老、住居の改善などの面において絶えず新たな進展をとげ、人民がよりよい生活を送れるように努めるべきである。
社会建設を強化するには、社会体制の改革をいち早く推進しなければならない。中国の特色ある社会主義の社会管理システムの構築をめぐって、党委員会が指導し、政府が責任を負い、社会が協力し、公衆が参加し、法治によって保障された社会管理体制の形成を加速し、政府が主導する、都市・農村をカバーした、持続可能な基本的公共サービス体系づくりを速めるとともに、機能面において政府と社会が分離し、権限と責任がはっきりし、法律に則って自治を進める現代社会の組織体制づくりを急ぎ、発生源対策と動態的管理、応急対処を結びつけた社会管理の仕組みづくりをいち早く促進しなければならない。
この面の重要な任務は次のようなものを含む。つまり、人民が満足できるような教育に地道に取り組むこと、質のより高い雇用創出を促進すること、あらゆる方策を尽くして住民の所得・収入を増加させること、都市・農村の社会保障システムの整備を統一的な計画に基づいて推し進めること、人民の健康水準を向上させること、社会管理の強化、刷新に取り組むことである。
教育は民族振興と社会進歩の礎石である。あくまでも教育の発展を優先させることを堅持し、党の教育方針を全面的に貫くとともに、教育が社会主義現代化建設に奉仕し、人民に奉仕することを堅持し、モラル意識の涵養によって人を育成することを教育の根本任務として、徳育・知育・体育・美育で全面的に発達した社会主義事業の建設者と後継者を養成する。資質教育を全面的に実施し、教育分野の総合改革を深化させ、教育の質的向上に力を入れ、学生の創造・革新精神を培う。教育における公平の促進に大いに取り組み、教育面のリソースを合理的に配置した上、農村や辺境地区、貧困地区、民族地区に重点的に傾斜させ、すべての子供が役に立つ人材になるように努める。
雇用は民生の本となるものである。勤労者による自主的就業、雇用調整における市場機能の活用、政府による雇用促進と起業奨励という方針を貫徹し、雇用優先戦略とより積極的な雇用政策を実施しなければならない。多ルート・多形態の就職を奨励し、起業の促進によって雇用機会を創出する。職業技能トレーニングを強化し、勤労者の就職・起業スキルを向上させる。人的資源の市場を健全化し、就職サービス体系を充実させる。労働基準体系と労働関係協調メカニズムを充実させ、調和のとれた労働関係を構築する。
すべての人びとが発展の成果を共有できるようにするには、所得分配制度の改革を深化させ、住民の所得増と経済の発展、労働報酬の伸びと労働生産性の向上がそれぞれ同じペースを保つようにするとともに、国民所得分配における住民への所得分配のウエート、第一次分配における労働報酬のウエートを引き上げることに努めなければならない。第一次分配と再分配においては効率と公平をともに配慮すべきであるが、再分配では公平がよりいっそう重視されるべきである。多様なルートで住民の財産所得を増やす。所得分配の秩序を規範化して、合法的所得を保護し、低所得層の所得を増やす一方、高すぎる所得を調節し、不法所得を取り締まる。
社会保障は人民の生活を保障し、社会の分配を調節する基本制度のひとつである。全国をカバーし、基本保障を確保し、多段階に分かれ、持続を可能にするという方針を堅持した上、公平性を高め、ポータビリティーに即応させ、持続可能性を保証することを重点として、都市・農村の全住民をカバーする社会保障システムを全面的に整備する。社会保障基金の資金調達ルートを広げ、社会保険基金の投資運用制度を確立し、基金の安全確保と運用益の増大をはかる。保障タイプ住宅の建設と管理を強化し、困窮家庭の基本的需要を満たす。
健康は人間としての全面的な発達を促進する上での必然的要請である。人民の健康のために奉仕する方向付けを堅持し、あくまでも予防を主とし、農村を重点に据え、中国の伝統医学と西洋医学をともに重んずることを貫き、基本医療を保障し、末端での医療サービスを強化し、仕組みを整備する要請にしたがって、医療保障や医療サービス、公衆衛生、医薬品の供給、監督管理体制の総合的改革を重点的に推し進め、国民保健政策を充実させ、人びとに安全・効果的で、利便性のある、安価な公衆衛生と基本医療サービスを提供する。
社会管理の科学化のレベルを引き上げるには、社会管理に関わる法律や体制・仕組み、能力、人材陣、情報化の整備を強化しなければならない。政府による公共サービス提供の方式を改善し、末端部での社会管理とサービス体系の整備を強化し、大衆の社会管理への参与における基礎的な役割を十分に発揮させる。人民内部の矛盾を正しく処理し、党と政府の主導下で大衆の権益を擁護する仕組みを形成し、完備させるとともに、大衆の苦情や要望を伝えることや、利益の協調、権益保障の面におけるチャンネルの円滑化・規範化をはかる。公共安全システムと企業の労働安全面のインフラ整備を強化し、重大な労働事故の発生を抑制する。平穏な社会の構築にさらに取り組み、立体化した社会治安防犯・抑制システムを完全なものにし、人民の生命・財産の安全を保障する。国家安全保障の戦略と取り組みの仕組みを充実させ、国の安全を確実に守る。
全党と全国人民が行動に立ちあがれば、社会の調和に対して誰もが責任を負い、すべての人々が調和の社会を共有する、活気に満ちた局面は必ずつくり出すことができるであろう。
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