(三)都市と農村の調和した発展を強化し、農業、農村経済の発展と農民の収入増の基盤を固める。(1)主要農産物の生産にしっかり取り組む。引き続き耕地を厳格に保護し、耕地、とりわけ基本農地の整備を強化し、穀物の作付面積を確保し、品種構成の最適化をはかり、単位面積あたり収穫量の増加と品質の向上に取り組む。二〇一〇年には、食糧総生産量を五億トンのレベルで安定させるように努め、綿花、搾油作物、製糖作物の生産量はそれぞれ四・七%増の六七〇万トン、一・六%増の三一五〇万トン、二・五%増の一億二五〇〇万トンを目指す。食糧生産能力五〇〇〇万トン増加計画を全面的に実施し、綿花、搾油作物、製糖作物の生産基地の整備を強化し、農業の機械化水準の向上に力を入れ、地元の状況に即して畑作農業、施設型農業および不耕起栽培を発展させ、前年比一・六%増の一六五万三〇〇〇ヘクタールの中・低収穫農地を改良する。生産補助・奨励政策を充実させ、大口農産物の生産を安定させる。引き続き栽培・飼育・養殖業の優良品種育成システムや動植物疫病予防・抑制システム、農業技術の末端普及システム及び農産物品質安全検査測定システムの整備を推し進め、国の現代農業モデル事業と現代農業の生産発展事業を実施し、ブタや乳牛などの規模化・標準化飼育をサポートする。二〇一〇年には、肉類と水産物の生産量はそれぞれ二・一%増の七八〇〇万トン、一・六%増の五二〇〇万トンに達する。大口農産物の貯蔵・物流施設、農産物の中堅卸売市場のグレードアップ及び農産物低温物流の整備をサポートする。(2)農民の持続的な収入増を促すよう努める。食糧の最低買付価格を引き上げ、小麦と籾米は五〇キロ当たりそれぞれ三元、六元引き上げ、なかでも、うるち米は十元引き上げる。重点農産物の買付・備蓄メカニズムの健全化に取り組む。良質種子補助金を増やし、農機具購入補助の投入額と適用機種を拡大し、農業生産財総合補助の動的調整メカニズムを実施する。農業・農村向けの社会化サービス体系を鋭意育成し、農業生産・経営の組織化の度合いを高め、リーディング企業の波及・牽引能力の向上を支持する。農村の第二、第三次産業の発展に力を入れ、県域経済を大きくする。農村労働者の就業転換を目的とする養成訓練を強化し、農民工の就業環境と起業環境を整備し、あらゆる方策を講じ、多くのルートを通じて農民の雇用を促進する。今年は農村労働力の就業転換を目的とする養成訓練の受講者数は六〇〇万人以上に達するよう努める。(3)新農村の建設を着実に推進し、引き続き農村の生産・生活条件を改善する。農村の用水・電気・道路・ガス・住宅などの民生プロジェクトに向けの中央基本建設投資を増やす。今年はさらに六〇〇〇万農村人口の飲用水安全問題を解決する資金として二〇〇億元を計上し、農村の水道普及率を七一・五%にする。一二〇億元を投下して農村の送配電網の改造に使う。農村自動車道路整備の資金として三〇億元を計上し、農家用メタンガスや、大中型メタンガス及びガス集中供給施設の整備を速める資金として五二億元を計上する。引き続き農村のインフラ整備を強化し、大中型灌漑区における関連施設の増設・節水改良を加速し、また計画で定められた六二四〇の大中型・重点小型老朽化ダムの補強任務を期日通りに完遂させる。漁業行政と漁港整備を強化する。農村のクリーンプロジェクトを実施する。農村の土地整理を鋭意推進する。農村における教育・養成訓練、医療衛生、文化など公共サービスの能力を高め、農村の情報化と通信のユニバーサルサービスの整備を速める。(4)都市化を積極的に推し進める。中小都市と町の発展を加速し、都市部におけるガス供給、給熱、給水などの公共インフラ施設を完備させる。都市の総合的受容能力を向上させる。中小都市と町の戸籍規制を緩和し、条件の備わった都市は、安定した職業と収入のある農民工及びその子供の都市への転籍を許可し、彼らを都市公共サービス体系に組み入れ、農民工の就業、居住、医療などの基本的な生活条件を改善し、彼らの子供の就学問題を解決する。