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人民網:グーグル、米国覇権の道具となるなかれ
発信時間: 2010-01-27 | チャイナネット

「グーグル事件」の発生は、実際には米国の戦略転換だ。かつて米国は武力によって世界における覇権的地位を確保していた。だが今や世界金融危機や数回の対テロ戦争によってその力を大幅に削がれたため、米国は戦略の重心を軍事領域からインターネット領域へと移した。グーグルは米国によるネット覇権遂行の道具となったのだ。冷静に考えれば、大規模な多国籍企業1社が、その所在国の安全や制度に口出しするなどということが、どうしてあり得ようか。一企業の行為ではなく、その背後で他の要素が糸を操っていることは明らかだ。

多国籍企業が他国に進出するにあたって最も基本的な原則は、相手国の法律や制度を遵守することだ。外国企業を誘致する国の側も、自らの原則があり、自国の法律や制度を遵守する。この原則は基本的な最低限のラインであり、双方共に抵触してはならない。

政府がネットを管理するのは正常な事であり、世界各国共にそうしている。たとえばポルノやネット犯罪の取締りにおいてだ。各国はネットのコンテンツについても、国の法律を遵守し、国家の安全を守るよう求めている。グーグルアースはその一例で、米国の多くの地区の写真がモザイク処理されている。通常、各国のネット管理方法は監視、フィルタリング、削除が主だ。特に一部の西側諸国は、「言論の自由」「ネットの自由」を口やかましく他国に要求しておきながら、自国政府の利益に関わる事柄は厳格にコントロールしている。たとえばグーグルは、米国の人種差別に関するものや反米発言を含む書き込みの多くをフィルタリングしている。

中国のネット管理は完全に法に基づいており、ネット企業やネットユーザーに大きな自由度を与えている。数字を挙げれば、現在中国国内のブログ数は2億以上に上る。世界で最もブログの多い国であり、毎日1億人もがネット上で言いたいことを思う存分に発言している。

ネットとして、わが人民網も非常に自由だ。BBS「強国論壇」は長年運営されている。わが社のウェブサイトの原則と最低限のラインは1つ。国の法律を遵守し、ネットの健全な発展を保つことだ。法律に触れなければ、何を発言しても良い。ここでは言論は完全に自由だ。たとえばわが社は各級地方政府ごとに「掲示板」を設置している。09年だけで全国各地の問題7000件余りが、この掲示板の書き込みによって報告され、最終的には適切な解決を得ている。このほかに、「政治議論広場」というコーナーもあり、誰もが意見や提案を発表することができ、その大部分が最終的には実行・解決される。支えとなる理念がありさえすれば、ネットには生命力や魂が宿る。

グーグル社は非常にイノベーティブな会社で、卓越した発展理念を持っている。多くの会社はとても及ばない。ひたすら会社の発展の道を歩みさえすれば、良い発展を遂げることができる。グーグル社が覇権の道具とならないことを望む。

「人民網日本語版」2010年1月27日

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