7月に入ってから中国解放軍は、次々と東中国海や黄海、南中国海の海域で、実戦での対抗や保障、支援などを含む一連の軍事演習を実施した。これは米韓が7月末に行った合同軍事演習とは微妙に対照的だ。
解放軍がこんなにも集中して軍事演習をするのは、果たしてどんな周辺の情勢を反映しているのだろうか。またこの数回の軍事演習は、以前の軍事演習と違いどんな特徴があるのか。また軍事演習の背後には、中国のどんな戦略的意図が含まれているのだろうか。以上のことについて『斉魯週刊』誌、中国解放軍海軍軍事研究所の李傑氏に話を聞いた。
中国は「平和な半径」を保たなければならない
――中国は7月中旬に黄海で初めての戦時軍事交通応急保障演習を行い、戦時の鉄道車両フェリーボートも採用した。これは中国軍事交通史上初めてだが、今回の演習の目的は何だったのか。また解放軍はこの演習でどんなシグナルを出したかったのか。
李傑:7月18日に山東省煙台市の某埠頭の鉄道車両フェリーボートで行われた応急保障演習「交戦-2010」は、中国の国防力強化が目的だった。今回の軍事演習では、中国の国力向上は阻止することができず、近寄ることも許されず、中国は平和な半径を保たなければならず、核心利益の地域で挑発させないという強いシグナルをはっきりと示した。
――7月下旬の南中国海で行われた演習では、中国海軍史に新たな記録ができたようだが、具体的にはどんなことだったのか。
李傑氏: 7月26日に南海艦隊が実施した多兵種実弾演習は、中国海軍史では参加した兵種、発射ミサイルがともに最多で、情報化のレベルも最高、電磁環境は最も複雑な軍事演習だった。