微妙な武器選択
――南京軍区砲兵部隊は7月25日、黄海近くで初めて大規模な長距離ロケット砲火力攻撃演習を実施した。演習の日はちょうど米韓軍事演習の初日だったが、解放軍はなぜ対戦艦ミサイルではなくロケット砲を選んだのか。
李傑氏:軍事演習で使ったロケット砲は、南京軍区が2006年に配備した国産の多連装ロケット弾発射システム「phl03」で、解放軍最新型の陸上ロケット砲だ。射程150キロの「phl03」は、解放軍陸軍の中・長距離ロケット砲の主力であり、今回の演習はロケット砲を全面的を検証した。
新型長距離ロケット砲は、カバー範囲が広く、殺傷力も高くて、火力集中などの特徴がある。特に誘導ミサイルだと的確に目標を打撃することができ、海岸に配備するとその付近の海域の艦艇を目標に威力を遮ることができ、強大な海岸作戦能力になる。
台湾のロケット砲の専門家によると、150キロの射程に対して米軍艦隊は少なくとも200キロの安全距離を保たなければならないという。もしそうなら解放軍が射程距離がより長いロケット砲を使えば、その範囲は「第一列島線」をカバーすることができる。解放軍の今回の演習は、米国編隊に「第一列島線に入ってはならない」と宣言したことと同じだ。