米韓は現在、黄海と日本海で大規模な合同軍事演習を行っているが、両国がこのような大規模な軍事演習を行うのはこの1カ月ですでに2回目である。これでもまだ中国人の神経を逆なでし足りないかのように、日米も12月に「島を奪う」合同軍事演習を実施することを決定した。軍事演習の場所は、釣魚島を含む、いわゆる日本の南西諸島周辺の海域。中国のある専門家は、「米韓と日米は頻繁に中国周辺の海域で軍事演習を行っているが、その背後には日韓を丸め込み、両国が中国側に傾斜するのを防ぎたいという米国の思惑がある」と指摘する。
中日韓の接近を阻止
韓国の哨戒艦「天安号」沈没事件の後、米韓の軍事同盟が強まって、両国の軍事演習は異常なほど盛んになっている。日本もこれに積極的に足並みを揃えている。この態勢は、ここ数年の緊密な中日韓関係、特に経済貿易関係が絶えず強まっているという事実を簡単に忘れさせてしまうものである。中韓間の今年の貿易額は1900億ドルに達する見込みで、米韓間と日韓間の貿易額の総和よりも大きい。また、09年から、中国は日本の最大の貿易相手国となり、日本経済の回復は中国との経済貿易関係に大きく依存している。
今年5月、中日韓は自由貿易協定(FTA)のフィージビリティスタディを正式にスタートさせ、2012年に終了する見込みだと発表した。これまで、中日韓FTAの設立については実質的な進展はなかったが、東アジアの経済一体化はすでに日程に上ってきている。中日韓ビジネスフォーラム日本委員会の平井克彦委員長は、「中国、日本、韓国の自由貿易協定が実現したら、3国のGDPは東アジア全体の9割を占めるようになる。これは東アジア自由経済圏の形成を意味する」と話す。
中国現代国際関係研究院日本研究所の劉軍紅研究員は、中日韓FTAのフィージビリティスタディに対し、米国は非常に敏感になっていると指摘する。日本と韓国は米国の盟友であり、中国が「いっぺんに日韓を連れて行ってしまえば、米国の大きな嫉妬を招き」、中日韓が接近して東アジア地域の力構造を変えることを「米国は絶対に容認しない」と話す。
劉研究員は、中日韓の一体化は米ドルの地位問題にもかかわると考える。ユーロの創設により、米ドル一辺倒の局面は打破された。現在、米ドルの天下を支えているのはアジア太平洋地域である。もし中日韓が接近して、EUをモデルに東アジア共同体が構築され、東アジアの通貨体制が創設されれば、「米国の生活は苦しくなる」という。このため、米国がこれに対抗することはとても明白で、「3国が各自発展することについては何も言わないが、この地域の力構造を変えることは許さない」と予想される。