米韓同盟と日米同盟
東アジア地域の協力がますます発展しているのに対し、第2次大戦後、長い間確固不抜のものであった日米同盟、米韓同盟にしだいにほころびや距離の兆しが見え始めた。
20世紀後期から、在日米軍や在韓米軍によってもたらされる一連の問題が、日米同盟や米韓同盟関係の不協和音となっている。
小泉政権時代、日本は「テロ対策特別措置法」に基づいてインド洋で米軍艦船などに燃料や水を補給する後方支援を行い、国内から批判の声があがった。最近では、普天間基地の移設問題をめぐって意見の不一致が生まれ、両国関係の難問となった。
09年8月の衆院選で、民主党は戦後長い間政権を握ってきた自民党を打ち負かした。鳩山由紀夫氏が首相に就任した後、最も注目を集めた変化は「アジア重視」、いわゆる「脱米入亜」戦略の実行であった。また、中韓が注目する歴史問題でも隣国の気持ちを尊重すると明確に表明した。菅直人氏が首相に就任してからは、日本は普天間基地の移設問題で米国に直接対抗することはなくなったが、依然として日本は米国とより平等な立場を追及しなければならないという民主党の基本理念を堅持している。また、このほど大々的に行われた広島被爆65周年の平和記念式典では、日米間の「表面上は親密だが、内心はしっくりいっていない」様子が顕著であった。
日本が米国と距離をおこうとしているのと同時に、米韓同盟にも米国をやきもきさせる状況が現れている。経済力の強化にともなって、韓国内の民族主義の機運が日に日に高まり、韓国軍の戦時指揮権を米軍が握っているという冷戦の遺留問題に対して不満が高まっているのである。金大中政権と盧武鉉政権期の努力により、07年、米国は最終的に韓国と協定を結び、2012年4月に韓国へ指揮権を移管することに同意した。この決定により米国内から広く疑問の声があがっただけでなく、韓国の親米勢力もひどく失望した。親米の李明博政権が発足してからも、米韓関係は牛肉輸入問題などの摩擦を経験している。