第三に、空母はそれ自体、どこへ行っても一種の政治的表明となる。米空母の黄海進入はすでに中国の米国軍事力量に対する合理的予測を超えている。今、いくつかの国にはアジア帰還した米国にすがり、集団で中国を押さえつけようとする動きがある。中国はどのように戦略を進めていけばよいのだろう。
中国海軍はずっとその空母保有を切望しているが、その一方で政治的には周辺諸国の感情を考慮してきた。現在の局面を迎えた今、私は、中国はもう躊躇する必要はない、すぐにでも空母建造を正式表明すべきだと考える。「勢力均衡概念」という現実主義の一原則が一部のアジア国家に支持されている。勢力の均衡が、中国に不利な形で失われた今、中国はそれ自身の努力でその均衡を取り戻す必要がある。
今年の夏、空母の黄海派遣において優柔不断極まりない対応となり、結局派遣を見送った時とは対照的に、今回の米国の行動は「一挙多得」と言える。韓朝の衝突を理由に堂々と黄海入りし、中国の反対も前回ほどにはならないはずだと踏んでいる。朝鮮を威嚇し、韓国をなだめ、それらを利用し、いとも簡単に数ヶ月の「規則」を破った。中国の感情を軽く見ているのだ。このような策略計画は必ず中国からの大きな反発を受けることになる。それは、軍事戦術においては、少なくとも空母建造の正式表明を以って反撃を行うべきなのである。