資料写真:7月25日に日本海で行われた米韓合同軍事演習「不屈の意志」。米空母「ジョージ・ワシントン」と韓国海軍「独島」が参加した。 |
韓国は悲痛の中にあってそんなに多くのことを考えていられないのかも知れない。だが非理性的なやり方は、理性によってのみ回避できた悪い結果をもたらすことになる。
現在の朝韓衝突は全体的には朝鮮半島内の事であり、延坪島上で韓国人が死傷したことに中国社会も同情している。だがもし米空母が撹乱しに現われ、中国の北京や天津に近い海域でいわゆる「朝鮮のみを標的にした」演習を行うのなら、中国社会の受け止め方は変化し、韓国への同情は米韓軍事同盟への警戒心によって覆われることになる。
中国社会の受け止め方はまだ最も重要なことではないのかもしれないが、黄海は中米相互の戦略的警戒の新たな緊張点となり、韓国の安全環境に新たな不確定性をもたらすだろう。中米間の駆け引きの方向を把握する能力が韓国にないのは明らかだ。いったん黄海が中米の戦略的競争の場となれば、朝韓間の摩擦となるのみならず、韓国は最後にはそれによって引き起こされる、しかも制御不能な戦略リスクの中で翻弄されることになるだろう。
中国人は米空母がなにかにつけて黄海に入ることに反対する。これは断固たる反対であり、口先だけのものでは断じてない。われわれは韓国人の悲痛を理解している。だが韓国もいくらかの冷静さを保つべきだ。つまり、朝鮮に報復するためのれんがを求めて、衝動的に中国の安全保障の壁を崩してはならないということだ。
「人民網日本語版」2010年11月30日