飛行機の中から普天間を視察する菅首相(18日)
日本外交は、「大国の威風を盛り返す」ことを目的にしているのだろうか。そうは見えない。民主党が自民党を倒して政権をとった当初には、大国の地位を盛り返すことは「槿花一日の栄」(儚い栄華の意味)に思えたが、現在では既に跡形もなく消え去ってしまった。鳩山内閣は誕生して草々に、「東アジア共同体」という構想を打ち出したが、米国の強い圧力によって、日本は「脱米入亜」できないばかりか、逆にアジアからは益々遠のいてゆき、更には、米国と平等な国家関係を築くことができないばかりか、逆に米国への従属は益々強まっている。日本人は常に「独立外交」を模索しているのだが、結果的には、自らを米国の利益という戦車に益々強く縛り付けることになっている。
日本外交は現状を黙認して、米国のアジア太平洋戦略の手先となることに甘んじているのだろうか。それも恐らくはないだろう。中国、ロシア、韓国との関係を処理する上で、日本は常に独自の道を切り開こうとして、その大国の地位を至る所で示し、日本が軽視できない存在だということを各方面に警告している。
米国人からすれば、菅政権は米軍普天間基地移設問題の処理において、まだ利用する価値がある。11月28日、基地の県内移転に断固反対を唱える仲井真弘多沖縄県知事が再選されたことで、基地移設の問題には、おのずと変化が生じた。米国は菅首相に沖縄県の説得を求めているが、菅政権は今になってもまだ、この「立ち退き拒否」を解決する有効な手段を見つけ出せてはいない。日本政府が普天間基地移設問題を適切に処理することができないと見れば、米国は鳩山内閣を見捨てたのと同じように、菅首相を見捨てるであろう。
日本の現政権は四面楚歌の状況にあり、間違いなく、外交に真剣に取り組む次期にきている。普天間基地移設問題は、菅政権の最後の頼みの綱になるかも知れない。東では中国との、北ではロシアとの関係が悪化する中、もし日米同盟に再び波乱が生じることになれば、菅政権が崩壊する日は恐らくそう遠くはないはずだ。(文=施君玉)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年12月23日