激動の時代、この「中央王国」は何によって維持されているのか。その重要な要素は全体的な楽観主義であり、より大きな要因として、大多数の中国人が方向を見失っていないこともある。
家庭や家族が依然として完全に保たれている。離婚率は上昇しているが、妻子を捨てた男はやはり軽蔑される。公園を歩けば、子どもを連れた若い親たちをたくさん見かけ、そこには祖父母の姿もある。「現代の中国人は孤独である」といった考えは完全になくなるだろう。子どもたちは、収入が多かろうと少なかろうと、地位が高かろうと低かろうと、誰もが親に送金している。これは内在的な義務の現れである。老人ホームは増え続けているが、親を老人ホームに「捨てる」のは恥かしいことだという思いは依然としてある。
また、中国人は自身を、中華人民共和国の公民というだけでなく、大中華文明の信仰者だと定義している。民族への帰属意識と中国が世界においてますます自信を見せていることから、大きな安心を感じているのだ。現実面からいえば、これは将来の金融安定への自信となっている。感情面からいえば、これは個人的アイデンティティの支えとなっている。北京五輪の聖火リレーに参加したある人は、「中国は偉大だ。だから私も偉大だ」と語った。
どんな成果でも中国人の心の中に深く入り込み、それによって彼らは満足感を得ている。中国人は自分が「中国人」であることに誇りを持っている。たとえアウディやアルマーニを買えなくても。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年12月31日