2010年の腐敗はさらに4つの新たな特徴がみられる。
(1)「ベスティング(年金受給権)」など、的を絞った腐敗の形態が新たに生まれた。「ベスティング」とは、処分を受けた埋め合わせとして、贈賄者が巨額の補償金を収賄者に支払うことをいい、こうした慰謝料のような形態は模倣性が強く、収賄の拡大を助長している。
(2)「二世官僚」が相次いで出現した。中国政界の癒着や縁戚登用が近年深刻化しており、国家機関や各級の政府部門から高等学校、企業に至るまで、親子、夫婦、相婿など親族同士で役職を分け合う状況が散見している。二世官僚は近年の権力腐敗から生まれた副産物。
(3)汚職、権利侵害、社会矛盾を激化する行為が出現した。
(4)幹部層の意識改革が目立った。2010年、鎮守の社で市長が清廉潔白な官僚として称えられる「海瑞」を拝み、副市長が腐敗の撲滅を祈願するなど、神頼みや風水占いが一部の地域で流行した。これは腐敗現象ではないが、地域の幹部層の意識を反映している。
腐敗取り締まり規定、より充実化