米国の隔月刊「ディプロマティック・ポリシー」電子版は16日、「心配はない、中国は豊かになる前に老いる」と題する論評を掲載。内容以下の通り。
中国が掘り起こした経済力は記録を更新し続けている。中国が日本を抜いて世界第2の経済体となって数週間後、米国のある経済コンサルティング会社はその報告で、中国はこのところ米国に代わって世界最大の製造業大国(生産高で算出)となり、これによって米国のこの分野での110年の長きにおよぶ主導的地位は幕を閉じる、と推測している。
端的に言えば、これは決して意外なことではない。中国が広大な国土と経済規模(低廉な賃金と、民事・環境問題の保護がおろそかであることはさらに言うに及ばない)により、大規模な製造業の中心となるのはごく自然だ。世界総人口の約5分の1を抱えているため、中国が市場経済政策をゆっくりと抱え込んでいく過程で、経済面での主導的地位を獲得し続けるのはもう自然なことなのである。
だが、中国の急速な経済成長は長期的に言えば、それほど確かではない。1人っ子政策のため、中国の将来の人口状況は喜ばしいことではなく、中国はやはり豊かになる前に足腰が立たないほど老いるのかも知れない。中国は今、深刻な内的挑戦に直面している。こうした挑戦は猖獗を極める腐敗、経済的に極めて大きなアンバランス、環境の劣化に対する人びとの失望に由来するものだ。また、中国の膨大な人口は、新卒の大学生が就業市場に毎年参入するため、高水準の経済成長、毎年およそ8%維持する必要があることを意味しているが、これは失業率を下げるためにすぎない。