◆「直-8」ヘリ
中国がフランスのヘリコプター「スーパーホーネット」をモデルに開発を始めたのは76年、定型化は94年。信頼できる国産エンジンの不足、その他の技術的な限界から「直-8」の生産量は極めて少なかったが、2000年以降、ようやく順調に歩み始めた。この数年は新型「直-8」を配備した部隊が増えており、とくに大パワーエンジン搭載の「直-8F」は、高原や海洋などでの応用価値が大幅にアップ。ソマリア沖のアデン湾での護衛期間中、海軍型「直-8」は出色の実戦的価値を示した。最も効果的かつ迅速に反応する機種として、軽型の「直-9」に比べかなりの威力を発揮、さらに機動性に劣る「卡-28」にも勝った。陸軍型「直-8」、その実質かつ潜在的開発能力も輸入した「米-171」を超える。
「スーパーホーネット」は1960年代の製造。「直-8」の「前時代的」は言わずと知れたことであり、多くの軍事愛好家はずっと同機に一顧だにしなかった。「直-8」の積載量は「米-171」とほぼ変わらず、また中国は新型かつ大型のヘリが必要としているため、「直-8」は「一時的な機種」にすればいい、との意見もある。こうした非現実的な「一時的」という考えでは、「直-8」の真の価値を根本的に見いだすのは無理だ。外国の数千機にも上るとみられる軍用ヘリと比べるとすれば、国産ヘリの「欠如」、これこそ率先して解決すべき問題ではないだろうか。