先日三亜市で開催された第3回BRICS首脳会議で胡錦涛国家主席は「互恵・ウィンウィン、共同発展、繁栄の共同享受」という新理念を打ち出した。首脳会議は大きな成功を収め、BRICSへの国際社会の関心も新たな高みに達した。(文:呉建民、ユーラシア科学アカデミー会員。人民日報海外版コラム「望海楼」より)
BRICsという概念は2001年にゴールドマン?サックスのエコノミスト、オニール氏が初めて提唱した。それから10年足らずで、BRICS首脳会議が国際社会で大きな存在感を示すようになった。これほど短い間に、1つの概念が国際関係において注目される新たな存在にまでなったことは、決して偶然ではない。
BRICSという概念は現代世界の1つの大きな趨勢の反映だ。21世紀の国際関係において最も注目される大きな趨勢は発展途上国の台頭だ。そしてBRICS5カ国こそが、この大きな潮流の集中的な具現化なのだ。世界の大きな趨勢を反映する新たな存在には、当然生命力が備わっている。
世界がBRICS首脳会議に注目するのは、国際関係におけるこれらの国々の役割が日増しに顕著になっているからだ。これは今回の世界金融危機と密接な関係がある。今回の危機で米国、欧州、日本経済は深刻に後退した。西側諸国はこれまで世界経済・金融を主導する地位にあったが、今回危機に見舞われた際、彼らは1つの明白な事実を突きつけられた。「この危機を脱するのは西側諸国だけの力ではもう不可能であり、新興大国の参加が不可欠だ」というものだ。第5回G20サミットでBRICsは積極的な役割を発揮した。先進国と新興大国が手を携えて協力し、同舟相救ったおかげで、大不況を防ぐことができた。これは世界にとって大きな幸せだ。