BRICSはなぜ結束するにいたったのか。世界の潮流に後押しされたことのほかに、新興大国として置かれた状況が似ていることもある。国際関係のパワーバランスの変化を受け、国際経済・金融システムも相応の改革が求められている。もちろん改革の過程は漸進的だが、その方向性は定まっている。つまり途上国の発言権と重みが強化されるということだ。これは先進国にとって、権限を一部譲り渡すことを意味する。この過程が容易でないことは想像できるだろう。BRICS諸国にとって、こうした状況を変えるためには、個別に努力するよりも共同で努力した方が効果的なことは明らかだ。BRICSは多くの戦略的利益を共有する。これこそBRICSが結束するにいたった根本的な理由だ。
BRICSの協力強化の方向性は何か。どのような影響をもたらすのか。世界はこの点に最も注目している。胡主席はBRICS首脳会議開幕式で、この問題に明確かつ誤りなく回答した。「21世紀の第2の10年間が始まるこの歴史的時期にあって、われわれは1つの重要な問題について共に考える必要がある。人類が平和で、安寧な、繁栄を共に享受できる21世紀を築くにはどうすればよいかだ」----。胡主席は「平和・発展・協力の旗を高く掲げる」ことなど4つの観点を打ち出し、共同発展を目的とするBRICSのパートナーシップの強化に力を入れることを訴えた。「われわれの協力は開かれた、透明なものであり、互恵・ウィンウィン、共同発展が目的だ」。この演説のキーワードが互恵・ウィンウィン、共同発展、繁栄の共同享受であることは非常に明らかだ。こうした胡主席の観点に他のBRICS首脳も同意した。
互恵、平等、ウィンウィン、共同繁栄。これは国際関係における新たな理念だ。数千年の人類の歴史において、常に大国は小国を虐げ、富める国は貧しい国を圧迫し、強国は弱国を食い物にしてきた。平等がなければ、ウィンウィンはなおさらにない。正に台頭しつつある新興大国が平等、互恵、ウィンウィンの旗を高く掲げていることは、人類文明の進歩の反映だ。国際関係における新たな存在であるBRICSが今後、人類文明の進歩を促し、平和が永続し、共に繁栄する、調和ある世界を構築する過程で、ますます重要な役割を発揮していくことは間違いない。
「人民網日本語版」2011年4月22日