――科学的発展。科学的発展とは経済社会と自然の発展の法則を尊重し、それを守りそれに従い、経済の建設という中心を確実につかみ、精神力を集中させて建設に取り組み、一意専心発展を求め、社会の生産力を絶え間ない解放と発展へと向かわせていく。中国は科学的発展観を経済社会の発展の重要な指導方針とし、発展を党の執政興国の第一の重要課題とし続け、人間をもって本位とし、全面的で協力的な持続可能な発展を堅持し、全般的に配慮することを維持していく。人間本位を堅持することは、結局、人権と人間の価値を尊重し、人びとの日ごと増大する物質文化への需要を満足させ、豊になる道をともに歩み、人間の全面的発展を促進し、人民のため、人民を頼みとする、成果を人民が享受できる発展をつくり出していくことである。全面的で協力的な持続可能な発展を堅持し、経済建設、政治建設、文化建設、社会建設及び生態文明建設を全面的に推進し、現代化建設の各段階を促進し、各方面の協調を促している。全般的に配慮することを堅持し、中国の特色ある社会主義事業の中の重要な諸関係を正しく理解し、適切な処理を行い、都市と農村の発展、地域の発展、経済社会の発展、人間と自然の協調的発展、国内の発展と対外開放を全般的に配慮していく。
――自主的発展。中国のような人口の多い発展途上の大国は結局のところ、自らの発展の力に頼らなければならない。中国は一貫して独立自主を堅持し、国の発展の基点と重心を国内に置き、自国の国情を出発点と見なし、主として自らの力と改革革新に頼り経済社会の発展を推進してきた。問題と矛盾を他国に転嫁しないことである。グローバル経済の背景下、中国は自主的発展を堅持してこそ、はじめて、効果的な国際分業に参与でき、また世界各国との互恵協力を発展させることができる。
――開放的発展。中国は自らの発展の歩みの中で、門を閉ざして建設はできないと、深く理解している。改革開放を基本的国策の1つとして、国内の改革と対外開放を結びつけ、独立自主の堅持をグローバル経済への参加につなぎあわせ、中華民族の優れた伝統と人類社会のすべての文明の成果を参考にし、国際と国内の2つの市場と2種類の資源を結びつけ、開放的な姿勢で世界に溶け込み、対外開放を広く深く絶え間なく推し進め、世界各国との交流を強め、内外の連動と、互恵・ウィンウィンの関係、そして安全で高い効率の開放型経済体系を整備する。中国の対外開放の扉は決して閉ざされることはなく、そのレベルはより向上していくことだろう。
――平和的発展。中華民族は平和を愛する民族で、中国人民は近代以降、戦乱と困窮の悲惨な歴史を経験してきた。平和を尊び、発展を望み、平和であってこそ人びとが安心して暮らせることを深く信じている。また発展してこそ、人民は衣食が満ち足り、国の発展のために平和で安定的な国際環境作りを対外事業の中心任務としてきた。と同時に、中国は積極的に世界の平和と発展に自らがすべき貢献をしてきた。侵略拡張は決して行わず、永遠に覇権をめぐって争わず、覇権をとなえず、終始世界と地域の平和と安定の確固とした力を維持していく。
――協力的発展。国際社会には一貫して競争と矛盾が存在する。各国は良好な競争の中で長所を取り入れ短所を補うべきである。絶え間なく協力の機会を探し求め、その協力の領域を広げ、共同の利益を開拓していく。中国は協力をもって平和を求めることを堅持し、協力をもって発展を促し、協力をもって紛争を取り除き、他の国とそれぞれの協力関係を築き発展させる。また、他国と絶え間なく互恵協力の拡大に力を入れ、日々増大するグローバルな挑戦に効果的に対応し、世界経済の発展と人類生存の進歩に影響する重要な問題の解決に協力していく。
――共同の発展。現在、世界各国の相互依存は日増しに深まっている。世界各国がともに発展してこそ、多くの人と発展の成果を享受させることができ、また、世界の平和と安定があればこそ、しっかりとした基礎と効果的な保障を保ち、世界各国の発展がはじめて持続できるのである。したがって、中国は互恵・ウィンウィンの開放戦略をとり、自らの利益と人類の共同の利益を一致させ、自らの発展を追求すると同時に他国の発展と良性な相互作用の実現に努力し、世界各国の共同的発展を促進していく。中国は真摯に世界各国と手を結び、肩を並べ、ともに発展し繁栄を築いていくことを望んでいる。
平和的発展の道に沿って、中国は広く深い変革を経験し、著しい発展の成果を勝ち取った。世界が繁栄し、それを安定させるため、大きな貢献をした。そして、さらに世界と緊密につながりともに進んでいく。
――総合的国力の大幅な向上を実現。経済総量は1978年から2010年にかけて16倍あまり増え、5兆8800億ドルに達した。世界に占めるウェートは、1.8%から9.3%に増えた。中国の現代化建設の物質的基礎はさらにしっかりとし、工業化、情報化、都市化、市場化、国際化は発展の度合いが深まり、社会主義建設事業は全面的に進んだ。人民の生活は衣食が満ち足りないレベルから全体的にややゆとりのある生活レベルまでの歴史的進歩を達成し、国民1人当たりの総収入は世界平均レベルの割合でみると、2005年の24.9%から2010年の46.8%にまで向上した。高度な集中的計画経済体制から、活力溢れる社会主義市場経済体制への偉大な歴史的転換を実現し、公有制を主体とし、多様な所有制経済がともに発展していく基本経済制度を形成し、市場は資源の配置における基礎的な役割が明らかに強められ、マクロ調整体系は日々整備された。都市と農村住民をカバーする社会保障体系も徐々に構築され、文化、教育、科学技術、医療衛生、スポーツなどの社会事業も全面的に発展している。