2010年度「中国の国防」白書(全文)

2010年度「中国の国防」白書(全文)。 中国の国防白書

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発信時間: 2011-09-23 13:44:07 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

二、国防政策

中国は防御的な国防政策を実施している。中国の武装力は、憲法と法律に基づき、対外的には侵略に抵抗し、祖国を守り、国内においては、社会の大局的な安定を維持し、国民が平和的な環境で働くことを守る、という神聖な責務を担っている。国の安全と発展の利益に見合った強固な国防と強大な軍隊の建設は、中国の現代化建設のための戦略的な任務であり、中国の各民族の人びとの共同の事業でもある。

中国の発展の道、根本的な任務、対外政策と歴史、文化の伝統は、中国が必然的に、防御的な国防政策を実行することを決定づけている。中国は、平和的発展の道を確固として歩み、対内的には社会主義の調和のとれた社会の構築に力を注ぎ、対外的には、恒久平和、共同繁栄の調和のとれた世界の構築を推し進めている。中国は、改革開放と社会主義現代化建設を揺るぐことなく推し進め、平和な国際環境を必要とし、自らの発展をめざすとともに、自らの発展を通じて世界の平和を擁護することに努めている。また、中国は、独立自主の平和的外交政策を断固として遂行し、平和共存5原則(領土・主権の相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉、平等互恵、平和共存の5原則)の堅持を基礎として、すべての国との友好的な協力関係を発展させている。中国は、揺るぐことなく中華民族の優れた文化の伝統と「和を以て貴しとなす」という平和の理念に従い、非軍事的手段で紛争を解決し、戦争に慎重に対処し、戦略的には、後に発して人を制す、という姿勢をとっている。現在であろうと将来であろうと、また、どこまで発展しようとも、中国は永遠に覇を唱えることはなく、軍事拡張を行うことはない。

両岸の統一は、中華民族が偉大な復興に向かう中での歴史的必然である。海峡両岸の中国人にはともに、両岸の敵対の歴史を終わらせる責任があり、同胞同士が干戈を交えることをできるかぎり回避することに努めている。両岸双方は、積極的に未来に目を向け、条件をつくり出すことに力を注ぎ、平等な話し合いを通じて、歴史が残した問題と両岸関係の発展過程における新たな問題をちくじ解決していく。また、両岸双方は、国がいまだ統一されていないという特殊な状況下における政治関係の発展について実際に見合った模索をすることも可能である。適時に軍事問題について接触と交流を行い、軍事安全における相互信頼システムの構築を模索し、台湾海峡の情勢を安定させ、軍事安全の懸念を減らすための措置をともにとることに役立つようにする。両岸は、一つの中国という原則を基礎として話し合いを行い、敵対状態を正式に終結させ、平和的な合意に達するべきである。

 新しい時期の中国の国防政策の目標と任務の主な内容は次の通りである。

――国の主権、安全、発展の利益を擁護する。侵略に対する防御と抵抗、領土、内海、領海、領空の安全を守り、国の海洋権益を守り、宇宙、電磁空間、インターネット空間における国の安全利益を守る。「台湾独立」に反対し、断固としてそれを食い止め、「東トルキスタン」「チベット独立」などの分裂勢力を取り締まり、国の主権と領土保全を守る。国の発展戦略と安全戦略に従い、それに奉仕し、国が発展する重要な戦略的チャンスを維持する。新しい時代における積極的な防御の軍事戦略方針を貫徹させ、独立自主と全人民の自衛という原則を堅持する。また、武装力の建設と辺境警備、領海防衛、防空のための建設を強化し、国の戦略能力建設の強化をはかる。中国は終始、核兵器先制不使用の政策を遂行し、自衛防御の核戦略を堅持し、いかなる国とも核軍備競争を行なわない。

――社会の調和と安定を擁護する。中国の武装力は、誠心誠意、国民に奉仕するためにあることを主旨とし、国の経済社会の建設に積極的に参加し、それを支援し、法律に基づき、国の安全と社会の安定を守っている。人材、装備、技術、インフラ施設などの面における有利な条件を生かし、地方のインフラ施設と重点プロジェクトの建設、貧困扶助や困難救済、民生の改善、生態環境の整備などに貢献している。非戦時軍事行動の準備を科学的に組織し、直面する非伝統的な安全脅威に対する戦略的備えを整え、専門的な応急機能の建設を強化し、反テロ・安定維持、応急救援、安全警戒任務の能力を向上させる。また、災害救援などの緊急かつ危険な重い任務を断固完遂し、民衆の生命と財産の安全を守っている。社会の大局的な安定を擁護することを、重要な任務とし、敵対勢力による国の転覆破壊活動や各種暴力テロ活動を断固として取り締まる。政府擁護・人民愛護という栄えある伝統を発揚し、国の政策と法規を遵守し、軍隊と政府、軍隊と人民の団結を強固なものにする。

――国防と軍隊の現代化を推し進める。2020年までに、機械化を基本的に実現し、また、情報化を建設することにおいて、大きな進展をなしとげる、という目標に着目し、機械化を基礎とし、情報化を主導として、情報技術の成果を広い範囲で運用し、機械化と情報化の複合的な発展と有機的な融合を推し進める。軍事闘争への準備を拡大、深化させ、現代化建設の全体的な発展をけん引し、促す。情報化の条件下での合同戦闘理論の研究を深化させ、ハイテク技術兵器・装備整備の推進、新しいタイプの戦闘力の発展、情報化という条件下での合同戦闘システムの構築に力を注ぐ。機械化の条件下での軍事訓練から情報化の条件下での軍事訓練への転換をより深く推進させる。人材戦略プロジェクトの実施に拍車をかけ、現代的な後方勤務の全面的な建設を強化する。情報化の条件下における局地戦争で勝利する能力を中核とする、多様化した軍事任務を完成させる能力を向上させ、新世紀における新しい段階での軍隊の歴史的使命を全面的に履行する。経済建設と国防建設を統一的に企画し、軍隊と民間の融合的な発展を実行し、軍隊と民間が結びつき、軍需産業を民間経済に融合させた兵器装備科学研究生産システム、軍隊の人材育成システムと軍隊の保障システムを構築する。国防と軍隊の改革の深化を積極的かつ適切に推し進め、戦略の統一的な企画と管理を強化し、国防と軍隊の建設の科学的な発展を推し進めることに努める。

――世界の安定と平和を擁護する。相互信頼、互恵、平等、協力といった新しい安全観を堅持し、平和的方式によって地域のホットな問題と国際紛争の解決を主張し、ほしいままに武力を行使することや武力によって脅威を与え合うこと、侵略・拡張に反対し、覇権主義や強権政治に反対する。平和共存5原則に基づいて対外軍事交流を展開し、非同盟、非対抗、第三者に矛先を向けることのない軍事協力関係を発展させ、公平で有効な集団安全メカニズムと軍事相互信頼メカニズムの構築を推し進める。オープンで実務的かつ協力的な理念を堅持し、国際安全における協力を深化させ、主要な国および周辺諸国との戦略的な協力と折衝を強化する。また、発展途上国との軍事交流と軍事協力を強化し、国連の平和維持活動や海上護衛、国際反テロ協力、災害救援活動に参加する。公正で合理的、また全面的でバランスのとれた原則に基づき、効果的な軍縮と軍備抑制を実現し、地球規模での戦略的安定を擁護することをサポートする。

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