2010年度「中国の国防」白書(全文)

2010年度「中国の国防」白書(全文)。 中国の国防白書

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発信時間: 2011-09-23 13:44:07 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

三、人民解放軍の現代化建設

新中国が成立してから60余年らい、人民解放軍の現代化建設は大きな成果をあげており、すでに過去の単一の兵種から多兵種によって構成される一定の現代化レベルを備えた、情報化へ邁進する強大な軍隊となった。近年らい、人民解放軍は、革命化・現代化・正規化を統一する原則に基づいて軍隊の全面的な建設に力を入れており、中国の特色ある軍事変革を前へと推し進めている。

軍隊の現代化発展への道のり

新中国の成立後、人民解放軍は現代化の優れた革命的軍隊を建設するという全般的方針と全般的任務を確立した。海軍、空軍およびその他の技術兵種を建設し、機械化の兵器・装備と自衛のための核兵器を発展させ、正規化の軍事制度と大学・学校教育のシステムを確立し、思想と政治の活動を強化し、軍隊の指揮、編制、訓練、制度などの面における一連の変革を実現し、軍隊建設の初級段階から現代軍事科学技術を備えたハイレベルの段階へと転換し始めた。

改革開放の歴史的条件の下で、人民解放軍は中国の特色ある軍隊精鋭化の道を歩んできた。軍隊建設の指導思想は、臨戦状態から平和期における建設へと戦略的な転換を実行し、国の建設の大局に従い、また奉仕するという前提の下で、現代化を中心とする軍隊の建設を計画的に、段取りを追って進めている。精鋭化・統合化・高効率化の原則に基づいて大きな調整と改革を行い、軍隊の人数を減らし、質を高め、現代における戦争の条件下での軍隊の自衛能力を増強させることに努めている。

世界の軍事発展の新たな趨勢に適応し、人民解放軍は「政治的に合格し、軍事面でしっかりし、作風が優れ、規律が厳格で、有力な保障がある」という全般的要求に基づいて部隊を全面的に建設する。中国の特色ある軍事変革を軍隊の現代化を進める上での必須の道とし、科学技術による軍隊強化の戦略を実施し、人数や規模を重視することから質や効率を重視することへ、また、人力密集型から科学技術密集型への転換をちくじ実現した。三段階に分けての発展戦略を制定し、機械化を基礎とし、情報化を主導とする飛躍的な発展の道を歩み出した。軍事闘争への準備によって現代化の建設をけん引し、情報化の条件の下での防衛作戦能力を高めている。

国の安全に必要な新たな発展と変化に直面し、人民解放軍はより高い起点から現代化を推し進めている。情報化の条件下における、局地戦争で勝利するという要求に適応し、新しいタイプの戦闘力の建設を強化し、情報化を主導とした機械化と情報化の複合的発展に力を入れ、情報システムを基礎とするシステム化された戦闘能力を向上させ、火力、機動力、防護力、保障力、情報力の全体的な向上を実現する。

陸軍、海軍、空軍と第二砲兵の建設

陸軍は機動戦、立体的な攻防の戦略的要請に応じて、改革・革新と建設への取り組みを強化し、部隊全体の体制転換を推し進めている。新しいタイプの戦闘能力の建設を強化し、部隊の編成構造を最適化し、情報化の条件の下での軍事訓練を強化し、主戦装備のデジタル化のグレードアップ・改造、新しいタイプの兵器のプラットホーム編成の変換を加速し、長距離機動や総合的な突貫攻撃の能力が著しく高められた。陸軍機動戦闘部隊は18の集団軍と一部の独立合成戦闘師団(旅団)を含む。集団軍は師団、旅団に編成され、それぞれ瀋陽、北京、蘭州、済南、南京、広州、成都の7つの軍区の管轄下に置かれている。 陸軍兵種の建設は大きな進展をとげた。装甲兵はデジタル化部隊の建設を強化し、モータリゼーション部隊から機械化部隊へ転換する歩みを加速し、重型、軽型、水陸両用、パラシュート部隊の突貫攻撃の作戦システムが引き続き完備されている。砲兵は情報化の程度が比較的高い兵器・装備と新型弾薬を開発し、戦役・戦術の縦深への火力攻撃システムを形成し、一定の偵察、コントロール、攻撃、評価を一体化したピンポイント作戦能力を備えている。

防空兵は新型レーダー、指揮情報システムと中高空の地対空ミサイルの発展を加速させ、新しいタイプの弾薬・火砲を結合する火力迎撃システムを形成し、比較的強い地対空作戦能力を備えている。陸軍航空兵は支援保障型から主戦突撃型への転化を加速して推進し、作戦能力をさらに最適化し、任務の需要によってモジュール化編成を実行し、武装、輸送と勤務ヘリコプターの性能を改良し、火力突撃、戦場での投下・輸送と支援・保障能力はいちじるしく向上した。工兵は平時と戦時を結びつけ、すばやく反応する多能化、一体化された新しいタイプの作戦・保障能力の構築を加速させ、災害救援の応急のための専門能力の建設を強化し、総合的な作戦・保障能力と非戦時軍事行動任務の遂行能力がさらに向上した。対化学戦部隊は平時と戦時、軍隊と民衆、軍・兵種を結びつけた、核兵器・化学兵器・生物兵器が一体化した建設を推し進め、全時空、全地域の核兵器・化学兵器・生物兵器の防護・保障能力を形成した。

海軍は近海防衛戦略の要請に基づき、総合作戦能力の現代化レベルの向上を重んじ、戦略的抑止力・反撃力を強化し、遠洋における協力と非伝統的な安全上の脅威に対応する能力を発展させている。正規システムの基礎的な訓練に重点を置き、複雑な電磁環境の下での実戦的訓練を強化し、作戦能力がさらに向上した。艦艇編隊の遠洋訓練を組織し、非戦時軍事行動の訓練モデルを確立している。計画に基づいて一部の新しいタイプの潜水艦、護衛艦、航空機と大型の保障のための艦船を補充している。総合保障基地の建設を強化し、兵力の配置と一致し、兵器・装備の発展と協調した海岸基地の保障システムを基本的に形成している。海上の後方勤務保障プラットホームの建設を加速し、部隊に大型の1万トンクラスの病院船および救急艇、救急ヘリコプターを装備させることで海上の保障能力をさらに向上させることになった。海上における長期間任務を遂行する後方勤務保障の方法を模索している。海軍は北海艦隊、東中国海艦隊、南中国海艦隊を管轄している。艦隊の傘下には艦隊航空兵、保障基地、艦艇支隊、水上警備区、航空兵師団、陸戦旅団などの部隊がある。

 空軍は攻防兼備の戦略的要請に基づき、現代化の体制転換の建設を計画的に推し進めている。空軍の発展戦略と人材の発展戦略を充実させ、完全なものにし、情報化の条件の下での空軍の作戦と体制転換の問題の研究を深めている。空中での攻撃、防空反ミサイルと戦略投下・輸送を重点とする作戦力システムの建設を強化し、指導・指揮のシステムを健全かつ完全なものにし、情報化、ネットワーク化、基地化の支援保障システムを確立している。複雑な電磁環境下におけるシステム対抗訓練を深く展開し、戦術的背景を持つ一連の演習・訓練と戦役の集団訓練を行っている。首都を中心とし、辺境・沿海の境界沿いを重点とする日常の戦争への備えのための防空活動を強化し、国の重要なイベントの空中安全保障、災害救援、国際救援、応急空中輸送などの非戦時軍事行動任務を組織し完成させている。早期警戒機、第3世代の作戦航空機などの先進的な兵器・装備をちくじ装備している。空軍は瀋陽、北京、蘭州、済南、南京、広州、成都の7つの軍区空軍と1つのパラシュート兵軍団を管轄している。軍区空軍は航空兵師団、地対空ミサイル師団(旅団、連隊)、高射砲旅団(連隊)、レーダー旅団(連隊)、電子対抗連隊(大隊)などを管轄し、航空兵師団の傘下には航空兵連隊と駐屯地飛行場・ステーションがある。

第二砲兵は精鋭で、戦力があるという原則に基づき、部隊の現代化建設を推し進め、迅速な反応、防御の効果的な突破、ピンポイント攻撃、総合的な破壊と生存防衛の能力を高めている。戦略的抑止力と防衛作戦能力がちくじ向上している。戦略ミサイル部隊の特色ある軍事訓練システムを構築し、基地訓練、シミュレーション訓練、ネットワーク訓練の条件を完全なものにし、地区にまたがる駐屯合同訓練を展開し、複雑な電磁環境における対抗的訓練を深めている。いくつかの重点学科の実験室、専門実験室と基礎教学実験室を確立し、ミサイルの自動化テストシステム、戦役戦術の指揮・コントロールシステム、戦略ミサイル訓練のシミュレーションシステム、作戦陣地人員生存保障システムを成功裏に開発した。安全システムの建設を強化し、安全制度を厳格に実行し、ミサイル・兵器の装備、作戦陣地などの重点的要所の安全を確保し、核兵器の管理において、終始良好な安全記録を保っている。数十年の建設や発展を経て、第二砲兵はすでに核兵器・通常兵器を兼ね備えた戦略力になった。

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