2010年度「中国の国防」白書(全文)

2010年度「中国の国防」白書(全文)。 中国の国防白書

タグ: 中国 国防 白書

発信時間: 2011-09-23 13:44:07 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

政治活動を革新する

人民解放軍は革新の精神で政治活動を推し進め、政治活動を新たな情勢に適応させ、新たな発展を実現させている。2010年8月に新しく改正、公布された『中国人民解放軍政治工作条例』では、軍隊の政治活動は、思想面、政治面、組織面において、軍隊が終始、党の絶対的指導の下での人民の軍隊であることを確保しており、また、国防と軍隊の建設の科学的な発展を確保し、新世紀の新たな段階における軍隊の歴史的な使命の効果的な遂行を確保することを明確に打ち出した。

軍隊全体が時代とともに発展をとげ、使命・任務、将校・兵士の実情に合わせて、政治活動を改善また革新し、政治活動の科学性を強化している。思想の教育、世論の誘導、文化の影響などの方式を通じて、「党に忠誠であり、人民を愛し、国に奉仕し、使命のために献身し、栄誉を尊ぶ」という現代の革命軍人の核心的な価値観を育んでいる。新しい情勢が部隊の建設にもたらす新しい状況と将校・兵士の思想にもたらす新たな変化を検討し、政治活動の目標性と実効性を高めている。軍隊全体の部隊と大学・学校の政治活動ネットワークを構築し、国境警備・海上防衛部隊にデジタル映画の放映設備を提供し、広報教育のネット化と情報伝送のオンライン化を実現した。

2009年3月に『非戦時軍事行動の政治活動強化についての意見』を印刷、配布し、非戦時軍事行動の中での政治活動の特色と法則を的確に把握し、任務と実情に照らし合わせた活動を展開し、政治活動のサービス保障分野と機能を開拓している。2009年10月に印刷、配布された『新たな情勢の下での軍隊の心理ケア活動強化に関する意見』は、心理査定、心理訓練と心理危機への関与などの心理カウンセリング活動の展開を要求し、5年内に旅団・連隊クラスの部隊には少なくとも1人の専属心理ケアカウンセラーを置き、中隊クラスの部隊には3人以上の心理ケア面のスタッフを置くことを規定した。

人材戦略プロジェクトを実施する

人民解放軍は人材戦略プロジェクトを大いに推進し、多くの新しいタイプのハイレベルの軍事人材の養成に努めている。思想政治資質の向上を根本とし、能力のモデルチェンジの推進を主な内容とし、合同戦闘の指揮を行う人材、情報化建設の管理を行う人材、情報技術面の専門的な人材、新装備の操作・メンテナンス面での人材の育成に重点を置くことを堅持し、指揮将校、参謀、科学者、技術専門家、士官の養成に力を入れている。

幹部に関する政策制度の調整や改革に取り組んでいる。2009年1月に『軍隊幹部の選抜・任用作業の手続に関する規定(試行)』が公布され、さらに民主化を拡大し、手続を規範化し、監督を強化し、選抜・任用の科学性、正確性、信頼度を高めるよう要求している。参謀将校、専門技術将校の考査・評価に関する実施方法と一般的に使用される考査・評価基準を公布し、専門的技術人材に関する政策制度の調整や改革のための包括的プランを制定した。

合同戦闘の指揮を行う人材とハイレベルの科学技術革新人材の養成を重要視している。合同戦闘についての基礎知識のテキストを編集して、配布し、軍隊全体の合同戦闘に関する講座を開いている。優秀な指揮将校と参謀人材を選出、表彰し、発展の潜在力がある優れた参謀と大隊・中隊の主要幹部の養成に重点を置いている。合同戦闘指揮人材の養成に努め、軍事修士学位を目指す大学院生の養成パターンを改革している。

『軍隊におけるハイレベルの科学技術革新人材プロジェクトの実施に関する弁法』を公布、施行しており、科学技術の革新能力を向上させるために、科学技術のリーダーとなる人材と科学分野のエリート人材の育成に向けて2年ごとに200人を選出し、育成対象としている。

士官の選抜・養成制度を整備している。ハイレベルの専門技術士官の編制を増やし、専門技術士官向けの技能資格制度を実施し、ハイレベルの士官を選出するために専門家による評価制度を確立し、士官の育成・管理システムを完備している。

現代的後方勤務を全面的に構築する

人民解放軍は現代的後方勤務の全面的構築を推し進め、保障体制の一体化、保障方式の社会化、保障手段の情報化、後方勤務管理の科学化のテンポを速め、多様化した軍事任務の完成を保障する後方勤務の能力を向上させている。

後方勤務の諸改革を深めている。職能の調整、関係の正常化、構造の最適化、利益の向上に重点を置き、済南軍区における三軍の後方勤務保障の一体化を中核とする合同運行メカニズムを完備している。生活保障の社会化を引き続き推進し、段階に分けて汎用物資の備蓄、装備のメンテナンスにおける軍民一体化など、その他の保障の社会化を実施している。既存の後方勤務装備のグレードアップ、次世代の後方勤務装備の発展に関するフィージビリティー・スタディーとカギとなる技術の予備的研究を加速させ、軍人の保障カードシステムを普及させ、後方勤務の戦略的倉庫、戦争に備える物資のパッケージ、軍事交通輸送の実態のモニタリングを中心とする軍事物流情報システムを構築している。後方勤務の規則や制度を見直し、供給・消耗・管理を一体化させる基準制度システムを健全化し、重要な建設プロジェクトや改革プロジェクトに対する会計検査と監督に力を入れ、財政経済の管理、物資の買付、医療、住宅、保険などにかかわる政策や制度の改革を推し進めている。

重要な活動に対する後方勤務を厳密に組織し手配する。新中国成立60周年の国慶節閲兵式のための後方勤務保障に入念に取り組み、アデン湾とソマリア沖での護衛任務、中国と外国の合同軍事演習、上海万博の安全保障、国内外の救援活動などにおいて有力な保障を提供してきた。また、部隊が青海省玉樹震災救援活動や甘粛省舟曲土石流災害救援活動などに参加するためにしっかりとした後方勤務保障を与えた。

部隊の供給・保障レベルを高めている。公務事業費、地域による補助金、末端部門における手当、専門職部門における手当などの基準を見直し、新しい食料規定量基準と兵舎基準を公布、実施した。軍隊の医療面において、合理的に処方が行われる医薬品リストの品種を拡充し、将校・兵士の療養待遇を実行に移し、メンタルヘルスケア面のサービスを充実させている。末端後方勤務の3年間の総合的整備計画を完成し、旅団・連隊部隊、国境警備・海上防衛部隊、「小散遠直単位」(部隊において人員が少ない部門、広域に分散した部門、機関から遠く離れた部門および連隊以上の機関直属の中隊とそれに相当する部門を指す)の飲用水や暖房、主食・副食品の供給などの差し迫った問題を効果的に解決した。2009年末には、07式の新軍服への切り換えを行った。

ハイテク兵器装備の整備を強化する

人民解放軍はハイテク装備の発展を加速させ、既存の装備の改造と管理を強化し、兵器装備の機械化・情報化の複合的発展を推し進めている。 兵器装備の質と構造を改善している。第二世代を主体とし、第三世代を中心とする兵器装備システムがおおむね構築されている。陸軍はヘリコプター、突撃装甲車、防空・制圧兵器を中心とする陸上戦闘装備システムを構築し、海軍は新しいタイプの潜水艦、水上艦艇、海上攻撃機を中心とする海上戦闘装備システムを、空軍は新しいタイプの戦闘機、地対空ミサイル兵器システムを中心とする制空戦闘装備システムを構築し、第二砲兵は中・長距離地対地ミサイルを中心とする地対地ミサイル装備システムを構築している。

装備の管理レベルとメンテナンス・保障能力を向上させている。現代的管理手段を押し広め、装備管理の規範化・精細化レベルを高めている。大学・学校や科学研究機構、メーカーの役割を発揮させ、新しいタイプの装備に係わる人材の育成に力を入れている。軍需産業における科学研究機構やメーカーと協調し、ハイテク装備のメンテナンス・保障能力を高めるようにし、軍隊と民間が一体化した装備メンテナンス・保障システムを構築し、多種機能の検査・測定、機動的緊急援助・応急補修、長距離技術支援のできる装備の総合的メンテナンス能力を構築している。ここ数年来の災害救援、反テロ演習訓練、一連の実戦訓練・演習は兵器装備の整備・管理の成果を検証し、地区にまたがる長距離の、機動性のある活動、遠海区域における護衛、複雑な戦場環境の下での装備保障能力が目に見えて増強されたことを示している。

兵器装備の長期発展計画を策定する。情報技術の融合性、システム化、集積化、一体化という特色や法則を科学的に把握し、兵器プラットホームと総合的電子情報システム装備との有機的な融合、複合的な発展を促している。先進的で成熟した技術と設備を生かし、選択的かつ重点的な編制により、シリーズ化した既存装備に対するインテグレーションと改造を行い、総合的性能を向上させ、兵器装備の整備の効果を高めている。

     1   2   3   4   5   6   7   8   9   10    


TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
iphoneでもチャイナネット!

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで
 

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。