2011版中国の対外援助白書(全文)

2011版中国の対外援助白書(全文)。 対外援助白書

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発信時間: 2011-09-26 14:12:49 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

前書き

中国は発展途上国である。なが年らい、中国は自らの発展に努めるとともに、終始経済的に困難なその他の発展途上国に力の及ぶ限りの援助を与え、それ相応の国際的義務を担うことを堅持してきた。

20世紀50年代に、新中国が成立してまもなく、中国は自らの経済がきわめて逼迫し、物資が非常に欠乏していた状況のもとで、対外経済・技術援助を提供し始め、さらに援助の範囲をちくじ拡大してきた。70年代末に改革開放を実施して以降、中国は経済が急速な発展をとげ、総合的国力が著しく向上したものの、依然として一人当たりのGDPは低く、貧困人口が多い発展途上国であった。それにもかかわらず、中国は力相応に事を運び、できるだけ対外援助を行い、被援助国が自主発展能力を高め、国民の生活を充実させ、改善し、経済の発展と社会の進歩を促すことを支援してきた。中国は、対外援助によって広はんな発展途上国との友好関係や経済・貿易協力を発展させ、強固にし、南南協力を促し、人類社会の共同発展のために積極的な貢献をしてきた。 中国の対外援助は、平等互恵を堅持し、実効を重んじ、時代とともに進み、いかなる政治的条件もつけず、自らの特色のあるモデルを形成してきた。

一、対外援助政策

対外援助のプロセス

中国の対外援助は周辺の友好国への支援から始まった。1950年に中国は朝鮮やベトナムに物資を援助し始め、対外援助の序幕を開いた。1955年にバンドンでアジア・アフリカ会議が開催された後、対外関係の発展に伴い、中国は対外援助の範囲を社会主義国からその他の発展途上国へと拡大した。1956年に中国はアフリカの国々に援助を提供し始めた。1964年に中国政府は平等互恵、付帯条件なしを柱とする対外経済技術援助に関する8原則を発表し、対外援助の基本的方針を確立した。1971年10月に広はんな発展途上国の支持のもとで、中国は国連における合法的地位を回復した。中国はさらに多くの発展途上国と経済・技術協力関係を確立し、またタンザニアとザンビア両国間の鉄道など一連の重要なインフラプロジェクトの建設を援助した。この時期、中国は自らの困難を克服し、他の発展途上国が民族の独立を勝ち取り、民族の経済を発展させることを最大限支援し、新中国が広はんな発展途上国と長期にわたる友好協力関係を構築するために確固たる基盤を築いた。

1978年の改革開放の後、中国と他の発展途上国との経済協力が過去の単なる援助からさまざまな形での互恵協力へと発展した。中国は国情に応じて対外援助の規模や枠組み、構造、分野を適切に調整し、後発発展途上国に対する援助をさらに強化し、対外援助プロジェクトの経済効果と長期効果をいっそう重視し、より弾力性のある援助方法をとることになった。建設済みの生産性のある援助プロジェクトの成果を強固にするために、中国は一部の被援助国と代理管理・経営、賃貸経営、合弁経営などさまざまな形での技術や管理の協力を繰り広げた。建設済みの生産性のある援助プロジェクトの一部は、以上の協力モデルによって、企業の経営管理を改善し生産レベルを向上させるうえで在来の技術協力より著しい効果を上げた。調整や強化を経て、中国の対外援助は中国の国情や被援助国の実際のニーズにいっそう相応しい発展の道に歩みだすことになった。

20世紀90年代、中国は計画経済体制から社会主義市場経済体制へ転換する過程で、対外援助に対して一連の改革を行い、援助金の出所と援助手段の多様化の促進に重点を置いた。1993年、中国政府は発展途上国が償還した一部の無利子貸付資金を利用して対外援助合弁協力プロジェクト基金を設置した。この基金は主に生産や経営分野における中国の中小企業と被援助国の企業との合弁協力に用いられた。1995年に中国は中国輸出入銀行を通じて発展途上国に政府の援助としての中長期の低金利特恵貸付を提供し始め、援助金の出所を効果的に拡大することになった。それと同時に、中国は被援助国の自らの発展能力の向上をいっそう重視し、対外援助としての技術トレーニングの規模をたえず拡大し、被援助国の人たちの中国での技術トレーニングは、徐々に人的資源開発における協力の重要な内容となっている。2000年に設立された中国・アフリカ協力フォーラムは、中国とアフリカの友好国が新しい情勢のもとで集団的対話を行うための重要な受け皿と実務的協力を行うための効果的仕組みとなっている。この段階の改革により、中国の対外援助はいっそう発展をとげ、より明らかな効果を見せている。

新世紀とくに2004年以来、経済が持続的な高成長を保ち、総合的国力がたえず向上したことを背景に、中国の対外援助資金は急増し、2004年から2009年までの年平均増加率は29.4%に達した。中国は二国間協議を通して援助プロジェクトを決めるという在来の方法以外に、国際と地域の面から被援助国との集団協議を強化している。国連発展資金調達に関する首脳会議、国連ミレニアム開発目標に関するハイレベル会合、中国・アフリカ協力フォーラム、上海協力機構、中国―東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議、中国―カリブ経済貿易協力フォーラム、中国―太平洋島嶼国経済発展協力フォーラム、中国―ポルトガル語圏諸国経済貿易協力フォーラムなど地域協力メカニズムに関する会議では、中国政府は対外援助についての包括的政策・措置をたびたび明らかにし、農業やインフラ、教育、医療衛生、人的資源開発での協力、クリーンエネルギーなどの分野への援助を拡大している。2010年8月に中国政府は全国対外援助活動会議を開催し、対外援助活動を総括し、新しい情勢のもとで対外援助活動をいっそう強化し改善させるための中核任務を明確にした。中国の対外援助は新たな発展の段階に入ることになった。

対外援助政策

中国の対外援助政策は鮮明な時代の特色をそなえ、自らの国情と被援助国の発展のニーズに合わせたものとなっている。20世紀60年代に中国が提起した対外援助8原則は、最初から中国の対外援助の基本的方針であり、さらに実践の中で充実され、整備され、発展してきた。中国は世界最大の発展途上国であり、人口が多く、経済的基盤が弱く、経済の発展がアンバランスである。発展は依然として中国が直面している長期的かつ非常に困難な任務であり、これは中国の対外援助が南南協力の範囲に属し、発展途上国間の相互支援であることを決定づけている。

中国の対外援助政策の基本的内容は次の通りである。

――被援助国の自主発展能力の向上をあくまでも支援する。実践が証明しているように、一国の発展は主に自らの力に頼るものである。中国は対外援助を行うと同時に、被援助国の人材育成と技術トレーニングに尽力し、被援助国がインフラを整備し、自国の資源を開発し利用し、発展の基盤を打ち固め、自力で、独自の発展の道を歩むことを助けている。

――いかなる政治条件も付けないことを堅持する。中国は平和共存5原則を守り、各被援助国が発展の道とパターンを自主的に選ぶ権利を尊重し、各国が自国の国情に合った発展の道を見つけ出せることを信じ、決して援助を他国の内政に干渉し政治的特権をはかる手段にしない。

――平等互恵、共同発展を堅持する。中国は終始対外援助を発展途上国間の相互支援と見なし、実効を重んじ、相手の利益を配慮し、他の発展途上国との経済・技術協力によって友好関係と互恵・ウィンウィンを促すことに力を入れている。

――力相応の援助を提供し、援助に尽力することを堅持する。援助の規模や手段の面で、中国は自国の国情に応じてできる限りの援助を行っている。比較優位を十分に生かし、被援助国の実際のニーズに最大限応えることを重視している。

――時代とともに進み、改革や革新を堅持している。中国の対外援助は内外の情勢の発展や変化に順応し、経験を総括し、対外援助の手段を革新し、管理メカニズムを適時に調整し改革し、対外援助活動のレベルをたえず向上させることを重視している。

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