人的資源の開発・協力
人的資源の開発・協力は、中国が多国間や二国間のルートを通じて発展途上国にさまざまな形の政府公務員の研修、学歴・学位取得のための教育、専門技術養成およびその他の人員の交流項目を行うことを指す。
中国は1953年から人的資源の開発・協力項目を実施し始めた。20世紀50年代から70年代までに、中国は朝鮮、ベトナム、アルバニア、キューバ、エジプトなどの国から多くの実習生の中国留学を引き受け、それは農林、水利、軽工業、紡績、交通、医療衛生など20余の業種にわたるものであった。1981年から、中国は国連開発計画(UNDP)と協力して、発展途上国のために中国で多くの分野にわたる実用技術養成クラスを開設した。1998年から、中国政府は被援助国の公務員研修クラスをスタートさせ、養成した部門、分野と規模は急速に拡大している。2009年末現在、中国は発展途上国のために各種養成クラス4000余を開設し、養成された人員は延べ12万人に達し、その中には実習生、管理者、技術者および公務員が含まれる。その内容は経済、外交、農業、医療衛生、環境保全など20余りの分野にわたる。現在、毎年中国でのトレーニングを受ける発展途上国の人員は約1万人に達する。そのほかに、中国はまた技術協力などの方式を通じて被援助国で数多くの管理者、技術者を育成している。
対外援助医療チーム
対外援助医療チームは、中国が被援助国に医療関係者グループを派遣し、また一部の医療設備と医薬品を無償で提供し、被援助国で指定地域や巡回での医療サービスを行ってきた。
1963年、中国はアルジェリアに最初の医療チームを派遣した。現在までに、中国はすでにアジア、アフリカ、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、カリブ諸国とオセアニアの69の国に対外援助医療チームを派遣している。対外援助医療チームは普通は被援助国の医師や医薬品が不足している後れた地域で活動し、環境は非常に厳しかった。対外援助医療チームはよく見かける病気、多発する病気の多くの患者を治療した。またハリ灸、マッサージおよび中医学と西洋医学を結合した診療方法で多くの難病を診療し、危とく状態にあった多くの病人の命を救った。対外援助医療チームはまた現地の医療関係者に医療技術を伝授し、現地の医療衛生レベルの向上を促進した。対外援助医療チームのメンバーは熟練した技術、医師としての良好なマナー、高度の責任感と使命感で、被援助国の人びとへのサービスに努め、被援助国の政府と国民から尊重され、高く評価された。2009年末現在、中国は累計して2万1000余人の対外援助医療要員を派遣し、中国の医師の診療を受けた被援助国の患者は延べ2億6000万人に達した。2009年、60の対外援助医療チームの1324人の医療要員がそれぞれ57の発展途上国の130の医療機構で医療サービスを提供した。
緊急人道主義援助
緊急人道主義援助は、関係国と地域がさまざまなひどい自然災害や人道主義の災禍に見舞われた状況の下で、中国がすすんで、あるいは被災国の要請に応じて緊急救援物資、外貨現金を提供し、あるいは救援人員を派遣し、被災地の人たちの生命財産の損失を減らし、被災国の人たちを助けて災害によってもたらされた困難な局面に対応したことを指す。
なが年らい、中国は対外緊急救援行動に積極的に参与し、また国際緊急人道主義救援事業の中でますます重要な役割を発揮している。救援活動をより急速かつ効果的なものにするため、中国政府は2004年9月に対外人道主義緊急援助応急メカニズムを正式に確立した。2004年12月にインド洋で大津波が発生した際、中国は対外援助の歴史において規模が最も大きな緊急救援行動を行い、被災国に計7億元以上の各種援助を提供した。これまでの5年間に、中国政府は累計して緊急援助約200回を展開し、主に次のものが含まれる。例えば東南アジア諸国に鳥インフルエンザの予防と治療のための緊急技術援助を提供した。ギニアビサウのイナゴとコレラによる被害、エクアドルのデング熱、メキシコの新型インフルエンザ(H1N1)、イラン、パキスタン、ハイチ、チリで発生した地震、マダガスカルのサイクロン、ミャンマー、キューバで発生した熱帯のあらし、パキスタンの洪水による災害のために物資や外貨現金の緊急援助を提供した。朝鮮、バングラデシュ、ネパール、アフガニスタン、ブルンジ、レソト、ジンバブエ、モザンビークなどの国に緊急食糧援助を提供した。