五、対外援助に関する管理
中国の対外援助の政策決定権は、中央政府にある。1950年以来、対外関係と対外援助活動の発展に伴い、中国政府は対外援助における各レベルの管理機構を設置し、それを健全なものにしており、プロジェクトの管理能力を強化し続けている。
商務部は国務院から授権された対外援助を主管する部門であり、対外援助政策、規則、全体計画と年度計画の起草と制定を請け負っており、各種援助プロジェクトならびにプロジェクトの実施、運営における全プロセスの管理を行っている。国際経済協力事務局、国際経済技術交流センター、国際ビジネス公務員研修学院は商務部に所属しており、ワンセットになった援助プロジェクトの管理と技術協力、物資やトレーニング項目の具体的な実施をそれぞれ分担する形で委託されている。中国輸出入銀行は特恵貸付の評価および貸付金の交付、回収などの管理を行い、中国の外国駐在大使館(領事館)が駐在国に対する援助プロジェクトの協調と管理を行っている。地方商務管理機構は商務部に協力し、その管轄地区の対外援助に関する具体的な事務活動を行う責任を負っている。
対外援助活動を展開する際、中国政府の各関連部門は、緊密な連携体制と協力関係を保っている。商務部は、国別の援助方案と対外援助資金計画を制定する際に、外交部、財政部、中国輸出入銀行と情報交換をきちんと行い、上記部門の意見を広く求めている。国務院のその他の部門は、専門的な対外援助活動の管理に参与するかまたはその責任を負っている。各部門間の更なる協調関係を強化するために、2008年に商務部は、外交部、財政部などの関連部門や関連機関と共同で、対外援助における部門間連絡機構を正式に成立させた。2011年2月に部門間連絡機構は部門間協調機構へと格上げされた。