文=軍事評論家 陳虎氏
報道によると、日本は今月10日から大規模な軍事演習を開始した。今回の演習は次の4つ点に注目しなければならない。
(1)今回の演習の主戦場が日本西南部の沖縄島に位置すること。
(2)演習に参加する部隊の多くが、陸上自衛隊の精鋭部隊と呼ばれる、日本唯一の機甲師団、北海道第7師団であること。
(3)北から南への大規模移動で、民間の交通機関を徴用したこと。報道によると、今回第7師団は大型フェリーを使用、この高速フェリーは数百台の車両を搭載できる。
(4)今回の軍事演習は主に中国を対象としていること。
最も関心が集まっているのは4点目で、最大の疑問もこの点にある。私の考えでは、中国を対象とする説は成立しない。日本は作戦対象を西南諸島に置いているが、中国としては、西南諸島で大規模な軍事演習を実施する可能性はほとんどなく、個別の小さな島嶼争いで、これほど大規模な陸上戦闘力を投入することもまずないからだ。
◇日本の狙いは兵力投入の訓練
中国の他に、今回の軍事演習には目的がある。その演習の規模と影響力を測る物差しは、演習に投入する兵力と兵器の数だけではない。
この角度からすると、日本の今回の演習には「大きな野望がある」といえる。日本が実際訓練したのは大規模な兵力の投入、戦略的投入の過程といえる。北海道から西南諸島まで3000キロ以上離れている。3000キロを半径として範囲を割り出すと、今回の演習による効果と成果をはっきりわかる。これほど広範な地域に兵力を投入可能ということだ。
こうして分析すると、日本が今回実際に訓練したのは大規模な兵力投入であって、その対象は中国だけではないことがわかる。
◇日本の軍事演習の深層背景