両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)で、中国の2010年度国防予算に関する話題が海外メディアの注目を集めている。一方、米ロなど軍事強国及び中国周辺の日韓などの今年の国防予算の情況はどうなのか?
◆米国、やむなく削減
財政緊縮により、今年米国はやむなく380億ドルの国防予算を削減したが、まだかなりの国防予算があり、6620億ドルの軍事費支出には核兵器の開発費や目に見えない軍事費は含まれていない。米誌「ワイアード」は、今年の米国の「秘密予算」は1200億ドル、或いはそれ以上になり、中国の国防費を大幅に上回る可能性があると指摘している。
◆ロシア、益々拡大
今年ロシアは10年以上連続で国防予算を拡大、さらに今後も拡大していく方針だ。そもそもロシアには軍による強国を目指す伝統があり、国の軍事上の弱体化は受け入れ難く、ロシア軍の雄姿を盛り返すことが全ロシア人の願いでもある。プーチン氏が大統領に就任後はさらに強軍路線を進み、「軍威」再興を通じて「国威」を高め、世界大国の地位を回復しようとしていることから国防費拡大は必然的ともいえる。
◆フランス、やや増加
欧州の軍事強国として知られるフランスは米国の防衛上の支援から脱却しようと欧州独立防衛の推進に力を入れてきた。そのため経済困難に直面しても何とか国防費の小幅拡大を維持している。特に資産の惜しみない販売(2012年度国防予算には、無線システム販売による11億ユーロも含まれる)が模範的役割を果たしている。