米国が他国と合同軍事演習を行うという情報は世界の世論を揺り動かしている。日米韓の東中国海での軍事演習は終わったばかりだが、米国が主導し22カ国が参加する「環太平洋合同演習(リムパック)2012」がまもなくスタートし、ハワイは大国による軍事演習の「集合のホイッスル」を鳴らす。
米国はここ数年、日常茶飯事的に他国と二国間や多国間の軍事演習を実施し、いわゆる中米両陣営の敏感な地域や時期においてもしょっちゅう「対峙・決戦」をかき立てている。西太平洋で何らかの軍事的な動きがあれば、中国が関わっているかどうか、演習が中国に向けたものであるかどうかにかかわらず、一部の人は「中国要素」は地域を不安定にさせると考え、中国の「強大な軍事力の存在」を非難する。
ここから、一部の人が打ち立てた「中国視点」では、「軍」と言うだけで大げさに騒がれ、「中国要素」が持ち出されることが習慣化していることがわかる。
ここ数年、中国が参加する定期的な軍事演習は「武力の誇示」や「他国への脅威」、「演習が舞台をかけ、戦争がその劇を演じる」などと言われるようになった。4月に実施された中ロ合同海上軍事演習は両軍の恒例の合同演習であり、第三者に向けたものではなかったが、「同盟を結んで米国のアジア太平洋における存在に対処するため」と言われたことで、緊張が走り、中国周辺の戦略の大局を乱し、破壊した。
また、環太平洋合同演習2012にロシアが参加し、中国が参加しないことはごく普通のことだが、一部の人は「ロシアは参加するが、中国は排除された」と喚き、中国とロシアの仲を裂こうとしている。その見方と風向きの変わりようにはあきれるほどだ。
そのほかメディアは、今回の演習は米国が中国に「剣をさらす行為」であり、近く起こる軍事衝突に向けて他国に「ウォーミングアップ」させるためだと吹聴。中には、軍事演習を中比間の黄岩島事件、中日間の釣魚島の領有権争いなどと結びつけ、西太平洋での軍事活動を「戦略的包囲」とし、演習のタイミングを微妙にし、地縁的な軍事衝突を勃発させると誇張する人もいる。こうして、中国要素のない合同演習なのに、中国が再びターゲットになっている。こういった中国と大国、周辺国との間に隙間を作り、陥れ、もともと安定していた地縁関係を乱そうとするやり方は、地縁的な動揺の原因を中国に押し付けるものだ。
米国が戦略の重心をアジアに移す中、一部の国は中国周辺で頻繁に軍事演習を行っており、その動機と意図には注意が必要だ。また、中には演習を通して戦争のような状態を作り、緊張をかき立て、中国と他国の関係を裂く者もおり、軍事演習があるごとに中国を非難する動きにも注意しなければならない。(作者:国防部国際伝播局の孟彦副局長、周勇幹事)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月28日