資料写真
世界の海洋戦略は空母化の時代を迎えた。現役空母のうち、米海軍は原子力空母「ニミッツ級」を含む12隻、フランスは2隻、英国は3隻、イタリアは2隻、ブラジルは2隻、ロシアは1隻、スペインは1隻、インドは1隻、タイは1隻、アルゼンチンは1隻所有している。世界の面積の4分の3を占める広大な海洋において、中国はすでに受動的な立場を強いられている。中国は、東中国海・南中国海のほぼすべての領海において、他国から深刻な主権侵害を受けているが、筆者は下記の3点について主張する。
(1)中国は東中国海・南中国海において、積極的な防御を可能とする軍事体制を敷く。今後10−15年間で、多目的空母、艦隊を護衛する空母、攻撃型空母の少なくとも3隻以上の空母を建設もしくは改修し、かつ原子力大型空母の開発を急ぐ。これにより中国の海洋における巡視・威圧・防衛の最低限の必要を満たし、主動的な立場を得る。
(2)隣国と係争中の海域の処理について、事務的性質により区別し対応するべきだ。係争中の海域の漁業資源を巡る争いは、法律と外交手段により処理する。東南アジア諸国による係争中の海域の油田・ガス田開発の入札や、占領を目的とする上陸等に対しては、軍事的な手段により「ノー」と言わなければならない。係争中の海域の処理には、日程表を設ける必要がある。
(3)中国領海の油田・ガス田等の資源の調査・開発能力、関連する島の開発利用能力を高める。島の開発利用は、領土に対する主権行使の最も直接的な手段である。
米国の西太平洋戦略の本心は、軍事力の確保と、関連諸国と中国の対立の激化にある。米国は日本や東南アジア各国を通じ、台頭する中国を抑えこもうとしている。これに対して、中国は冷静に対応しなければならない。中国は米国に対して、「そちらの下心は分かっているが、中国は好きにやらせてもらう」という対応をする。日本の軍国主義が復活し、大和民族がアジア隣国の領土を蹂躙する可能性は低いため、中国は政治・軍事・経済の発展により日本をけん制する。東南アジアに対してはアメとムチを使い分け、貿易の発展と文化的理念の輸出を推進し、利益を与え規則を破りにくくさせる。(筆者:浙江大学儒商・東アジア文明センター研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年8月7日