湾岸戦争が中国空軍の「きっかけ」になったとするならば、その後の数回の局地的な戦争は、中国空軍にさらなる「痛み」と「圧迫感」を与えた。王副編集長は、「1999年にNATOがユーゴ空爆を実施した際、B-2ステルス爆撃機の投下した正確誘導爆弾が中国大使館を爆撃した。中国は血の教訓を受け、軍事現代化の必要性を意識した」と述べた。イスラエルが米国の圧力を受け、2000年にファルコン早期警戒機の中国輸出をストップさせると、人民解放軍の「軍事現代化を海外から調達する」という構想が打ち消された。王副編集長は、「中国の軍事現代化は、米国に強制されたものだ。米国の包囲による不安がなければ、中国が軍事現代化にこれほどの力を注ぐことはない」と指摘した。
◇J-10、後続機のため経験積む
中国の航空機産業はここ数年、約1年余りで2機種のステルス戦闘機の初飛行を行うなど新装備の開発スピードにおいて西側諸国が驚く進歩を遂げている。それに対し、米国のF-22プロジェクトは1985年に競争入札で、1997年にようやく1機目の初飛行を行った。もう一つのステルス戦闘機F-35の開発期間はさらに長く、2006年に初飛行を行った。これについて、中国の空軍専門家は、新型装備の開発には少しずつ模索と実践が必要で、非常に多くの未知の領域に関連するため、15~20年を要するが、中国の戦闘機開発は「後発組の強み」があると指摘する。グローバルな情報化の急速な発展と知の爆発にともない、後発組の中国は前発組の経験を参考にし、その情報の成果を利用できるため、すべての手順を繰り返す必要がなく、より早く開発を進めることができる。例えば米国がF-35向けに開発したDSI方式のインテークはステルス性に優れ、インテーク効率を改善。中国はすぐにこの技術をFC-1やJ-10の改良型と次世代ステルス機に採用した。