王亜男副編集長は、中国がこれほど迅速に新型機を開発できること自体、その背後にある航空機産業の総合力が新たな段階に進んだことを意味すると指摘する。05年の国産戦闘機J-10就役はかつて「20年かけて磨いた剣」と形容された。建国初期はMiG-15を直接輸入、それを模倣したのがJ-6、J-7で、中国の航空機産業は新型機の開発経験がそれまでなく、それ相応の設備やチームにも乏しかった。J-10の意義は独自に先進的な国産戦闘機を開発したことだけでなく、レーダー設計、飛行制御ソフトウェアなど航空機産業に欠かせない基礎能力を開発の過程で確立し、複雑な装備の独立開発やシステムインテグレーションの完成など貴重な経験を積んだことだ。
最近相次いで公開されている新型戦闘機は中国の航空機産業の飛行機全体の設計、電子工業、飛行制御技術など各分野における急速な進歩をあらわしている。電子工業の進歩によって航空電子システムの分野で西側との差が最も縮まり、早期警戒機「KJ-2000」の性能が米E-3Cを1世代上回ると中国が豪語する理由もそこにある。
中国の新型戦闘機が直面している次の問題はプロジェクト開発からどう量産化に転じるかという問題だ。西側の経験をみると、実験機を量産化した場合、様々な改良が必要となる。なかでも特に重要なのは設計上量産化に適さないケースがあることだ。中国が公開した数々の新型戦闘機はほとんど開発段階にあり、これらの問題を克服する際、近代工業の管理水準、開発と生産部門の意思疎通など数多くの要素が絡んでくる。