数日前に中ロ海上合同軍事演習が幕を下ろした。中ロはこれに続き、それぞれ異なる航路から宗谷海峡を通過し、西太平洋海域に向かった。本来ならば、2カ国以上の国による海上軍事演習には非難されるべき点がないが、日本はまことしやかに国防白書の発表を急ぎ、世界各国に「中国脅威論」を宣伝し、さらには自ら金を出し米国の8機のF-16戦闘機を「招待」し、本国の8機のF−15と空の演習を実施した。これは「空対海」の立体図により、中ロの海上軍事演習に対応・けん制することを目的としている。
日本は近年、米国のアジア太平洋回帰戦略に全力で協力している。特に「安全保障ダイアモンド」、「列島線封鎖線」の構築に力を注いでいる。安倍首相は再任後、周辺諸国のベトナム、タイ、インドネシア、ミャンマー、モンゴルなどを訪問し、7月25日からはフィリピン、シンガポール、マレーシアの訪問を予定しており、フィリピンに「賭ける」ことをわざわざ表明している。その理由は簡単だ。フィリピンは、中国海軍が太平洋南部に出入りする際に通過する、重要な諸島を国土に収めているからだ。
今回の中ロ海軍の日本海における合同軍事演習により、中国海軍は日本海で初めて他国の海軍と合同演習を実施し、「四海連動」(南中国海、東中国海、黄海、日本海)の有益な戦略的試みを実施した。第一列島線内の4つの海域を、中国海軍は縦横無尽に通過できるようになった。これにより、「三海」(南中国海、東中国海、黄海)のみで活動を展開していた中国海軍の制約が取り払われ、通過できる海峡が大幅に増加した。