10月1日からの米政府機関の閉鎖(シャットダウン)の影響は、政府資金への依存度が極めて高い科学研究機関にも波及している。核兵器や国家の安全保障に関する研究開発を行うローレンス・リバモア国立研究所は15日から閉鎖することを発表し、約7000人の職員は無給での自宅待機を余儀なくされている。
カリフォルニア州リバモア市に位置するローレンス・リバモア国立研究所は、世界でもトップレベルの科学研究施設であり、核兵器の開発と最先端科学技術の開発・利用による防衛力強化を使命としている。
同研究所関係者によると、約7000人の職員は15日から次々と自宅待機に入り、16日には完全に閉鎖され、21日からは警備員だけが研究所に残る。研究所に勤める科学者や研究員、エンジニアやその他の職員らは皆、自宅待機を強いられているようだ。
また、物理・化学やエネルギーをはじめ生命科学など多岐分野にわたる研究を行っているローレンス・バークレー国立研究所・生命科学部門のチーフ・サイエンティストである杭渤氏は15日、中国新聞社に対し、政府機関が閉鎖された後、上層部は職員らを集め、「研究所の資金は十分にあり、10月も安定して運営できるが、海外出張や大口の仕入れは当分は見合わせる必要がある」と説明したことを明かした。
杭氏によると、ローレンス・バークレー国立研究所の資金ルートは多岐にわたっており、合衆国エネルギー省や政府資金のほか、州政府など他の機関からの補助金もあるため、影響は比較的小さいほうであるという。
10月は問題なくやり過ごせるものの、杭氏や同僚らはそれでも明らかな影響を感じているという。「研究所のホームページが更新されなくなったり、政府資金の申請が延期されたりなど影響は出ている。一日も早い再開を望んでいる」と杭氏は言う。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月16日