第二、中国と米国が共同で新しいタイプの大国関係を築く新たな時期に入りました。歴史上、大国とりわけ新興の大国と既存の大国が競争から敵対に向かいさらには衝突することは、避けがたい宿命になっているようです。しかし21世紀の今日、急速に進むグローバル化を背景に、中国はこの宿命を信じずまた認めません。私たちには、米国との共同の努力を通じて、このいわゆる「法則」を打破する自信が完全にあります。今年6月、習近平主席は招きを受けて、オバマ大統領と米カリフォルニア州サニーランドで会談を行い、新しいタイプの大国関係構築について重要な共通認識を得ました。習主席は、第一に衝突せず敵対せず、第二に相互に尊重し、第三に協力・ウィンウィンをはかるという三つの言葉で中米の新しいタイプの大国関係の中身をまとめました。衝突せず敵対しないことは必要な前提です。つまり中米関係のマイナス予測を変えて、中米関係の将来に対する強い自信を築くのです。相互尊重は基本原則です。そうしてはじめて、中米は求同存異〈小異を残して大同につく〉により、さらに聚同化異〈小異を解消して大同のために結集する〉によって、調和・共存を実現できるのです。協力・ウィンウィンは必ず通らなければならない道です。終始協力を堅持し、たえず協力を強めてはじめて、中国と米国はウィンウィンを実現できるのです。このウィンウィンは中米両者のウィンウィンであるだけでなく、世界各国のウィンウィンでもあります。この1年、習主席とオバマ大統領が2回会談し、バイデン副大統領が訪中し、両国の第5回戦略・経済対話、第4回人文交流ハイレベル協議が成功裏に開かれ、中米二国間投資協定交渉が実質的段階に入るなど、中米の新しいタイプの大国関係の中身はたえず充実しつつあります。
第三、中国の周辺外交の新局面が開かれました。周辺は身を落ち着け心を寄せる所で、中国の発展・繁栄の基です。新しい政権は周辺外交を外交全体の中で一層重要な位置にすえています。習近平主席、李克強総理は就任後初めての外遊の最初の訪問国に周辺国を選んでおり、中国は周辺の21カ国と国家元首、政府首脳クラスの交流を繰り広げ、ハイレベル交流の全面カバーがほぼ実現しています。この1年、中国は周辺を潤す、互恵・ウィンウィンの協力理念を積極的に実践し、一連の重大な協力を提唱して、周辺諸国との実務協力を大いに強化しました。中国は他人の身になって考え、誠意をもって接する付き合いの道を堅持し、周辺諸国との政治的相互信頼を深めました。中国は開放包容、求同存異の地域精神を大いに提唱し、10+1、10+3、東アジアサミット、上海協力機構(SCO)などさまざまな地域協力メカニズムによる相互補完、相互促進を推進して、地域の平和を守り、地域の発展を促すために重要な貢献をしました。今年10月、中国は建国後初めての周辺外交活動座談会を開催し、今後5‐10年の周辺外交の戦略目標、基本方針と全体配置を決め、周辺外交の一層明るい展望を開きました。