ベトナム:キロ級潜水艦で飛躍目指す
ベトナムはかつて、潜水艦隊をそれほど重視せず、小型のヨノ型潜水艇2隻を保有しているにすぎなかった。だがベトナム軍上層部は近年、潜水艦隊を優先的に発展させる戦略へと舵を切っている。
ベトナム海軍の「21世紀初期の海軍3段階発展計画」は、海軍の潜水艦隊と航空部隊の発展の必要性を明確に強調するものだ。ベトナム海軍はこれに基づき、「大海のブラックホール」とも呼ばれるキロ級636M型ディーゼル動力潜水艦6隻をロシアに発注し、南中国海の海域では対艦・対潜行動をしばしば実施している。ロシアの造船所はすでに4隻をベトナムに納品し、現在は最後の1隻を建造中とされる。契約によると、全発注分の納品は2016年までに完了する。
すぐれた静粛性を誇る潜水艦6隻を確保することで、ベトナムの海軍力は無視できないものとなるとの指摘がある。だが一方で、限られた数量のキロ級潜水艦で海軍力の飛躍的向上をはかるのは無理があるとの分析もある。