用途
それでは、中国初の海外駐軍基地は西側が誇張するように、「中国の脅威」なのだろうか。
まずこの基地を見ていこう。この保障基地は規模が小さく、40ヘクタールほどで、規模が限定的な武器弾薬庫、食品・被服倉庫、ヘリ駐機場、病院、軍艦の停泊用の埠頭、一定の修理施設しか設置できない。
規模を見る限り、将来的にジブチに入る兵士の数が限定的になる。関連保障業務に従事する人員のほか、せいぜい少数の警備部隊と、交代の人員しか入れない。そのためこの基地の最も中心的で現実的な機能は保障だ。
ここからは海外と比較してみよう。
中国の基地から約10キロ離れた場所に、米軍のアフリカ最大の軍事基地、「レモニエ基地」がある。同基地はアメリカアフリカ軍が管轄し、「地域テロ対策指揮センター」という肩書を持っている。現在は約4000人が駐留している。アラビア半島や東アフリカにおけるテロ組織に対抗する特殊部隊も含まれる。
また米軍の同基地内には、大型無人機の離着陸場があり、数多くの無人機が毎日頻繁に離着陸し、偵察・監視・定点パトロールなどの任務を遂行している。米軍の無人機がこれほど活発に活動しているため、ジブチ航空管制部門は協力しきれず、民間航空機を脅かす事件がたびたび発生している。
米軍の他に、ジブチにはフランス、ドイツ、イタリア、スペインなどの軍事基地がある。日本の自衛隊さえ、ジブチに基地を建設した。遠路はるばるアフリカを訪れ「自衛」とは笑止千万だ。
ジブチの領土は2万3000平方キロ未満で、武装勢力は5000人未満だ。ところがこれほど多くの外国の軍事基地が密集し、さながら「基地のスーパー」のようだ。これはまた側面から、中国が現地に基地を設立する狙いは、上述した内容のみに限られることを反映している。
当然ながら、中国がどれほどはっきり説明しようとも、信じない人間が常にいる。例えば米軍は早くから、中国の軍旗が自国の無人機離着陸場付近を飛行するのを見たくない、などとのたまわっている。これは中国に警戒心を抱き、追い出そうとしているからだ。
西側諸国が中国の小規模な保障基地にこれほど注目するのは、自分たちが世界を戦艦で駆け巡った「古き良き時代」のことばかりを考えているからだろう。今を昔と同じと考え、総合的な国力が世界2位になった中国が、自分たちの古い道を歩むと感じるのだ。
中国脅威論を誇張する人間は、世界がどれほど大きいかを考えるべきだ。40数カ国に100以上の軍事基地を持つ米国でさえ、何かあるとすぐ出兵しあれこれ干渉し、何かを覆そうとしているが、自国を「より安全」にできていない。むしろ「過積載」により、新車を廃車にしようとしているほどだ。中国がこれに目をつむり、教訓を汲み取らないことはあろうか。
そのため中国は少数の極めて必要な場合において、アデン湾の巡航のような軍事手段を講じるだけであり、今後より多くの海外における安全は、中国の平和的・友好的な外交政策にかかっていると言える。