貴州省長順県代化鎮は貴州の麻山の奥地にある郷鎮で、石漠化が深刻な地域だった。
数年前に何度かここを訪れた記者。以前一本の狭い街道は市場の日になると混みあい身動きができなかったが、今では外環路が舗装され、道幅が倍に広がり、みちがえるほどきれいになった。
「以前は地元政府の向かいに汚くて散らかった自由市場があって、幹部の視察がある度に印象がよくなかった」と2016年の着任当時のことを振り返る代化鎮党委員会書記の金平氏。
その年、代化鎮は貴州省20の極貧郷鎮の一つに指定され、貴陽市からペアリング支援を受けることになった。
「貴州省が極貧郷鎮を対象にした脱貧困事業基金を立ち上げ、我々にも10億5810万元が分配された」と金氏は説明。こうした手厚い対策が代化鎮の歴史的発展を大きく後押しした。
綿密に計画された一連の事業が2017年から次々に着手。特に産業選択にはこだわった。「石が多く土が少ない上、地表の水分が少なく、飲用水の確保さえ難しいため、産業用水の確保は尚更難しい」とその理由を説明する金氏。
厳しい環境でも、なんとかそれを克服するしかない。そして迎えた2017年2月16日、野菜基地の着工日。「この平らな土地を探すのにどれだけ苦労したことか!」と当時を振り返る。
この360ムー余りの野菜基地には、40のビニールハウスが整然と立ち並ぶ。ハウスの中で土を耕したり、苗を植える人の姿も。
「どれも市場の需要に合わせて栽培しています」と紹介するのは野菜基地責任者の陳虎さん。最近ではトマトの苗が80ムーほど植えられ、これから植えるのは180ムーのヘチマ。毎日80人以上の作業員が8時間汗水流し、80元以上の給料が支払われるという。