世界銀行の理事会のメンバーがこのほど会議を開き、アフガニスタン復興信託基金の中から最大5億ドルを世界食糧計画と国連児童基金に移管し、アフガニスタンの住民、特に子供の人道危機の対応を支援することを検討した。
米国がアフガン戦争を発動しアフガニスタンで大潰敗する20年に渡り、最も弱く最も傷つきやすいグループであるアフガニスタンの子供が、みだりに戦いを起こし民主主義を輸出する米国の被害者になった。今やこれらの罪なき命は依然として、戦争により無理やり輸出された「米国式の民主主義」がもたらした痛みに耐えている。
・栄養失調で死に至るリスクが激増
痩せて骨が浮かび上がったカリマちゃんは生後わずか18カ月で、静かにカブールのインディラ・ガンディー小児病院の病床に横たわっていた。彼女の病室には他にも10人の子供がいた。寝ている子がいれば泣き叫んでいる子もいた。他にも2、3歳の女の子が静かに小さなナンを食べていたが、これは彼女が食べられる唯一の食料かもしれない。これらの子供たちが入院している理由はいずれも深刻な栄養失調だ。
カリマちゃんの母は記者に、「十分な食料を買うお金がなく、大人も子供も飢えている。1年前に夫が戦争によって命を奪われた。残された私と8人の子供は苦しい日々を送っている。一番年下の娘は2カ月に渡り栄養失調に苦しめられている。どうしようもなく、入院させるしかなかった」と話した。
インディラ・ガンディー小児病院のユスフザイ氏は記者に、最近は深刻な栄養失調により入院するアフガニスタンの子供が激増していると述べた。
国連児童基金アフガニスタン事務局の職員のサマンサ氏はこのほど、「アフガニスタンでは現在約1400万人の子供が十分な食料を得ておらず、約320万人の5歳以下の子供が深刻な栄養失調に陥っている。約110万人の子供が急性栄養失調による死の危機に瀕している」と述べた。
ユスフザイ氏は、「病院の過去の資金源は主に国際援助だったが、8月15日より米国がアフガニスタンの海外の資産を凍結し、大量の国際援助が途絶えた。多くの医療機関が同じような資金援助の問題に直面し、閉鎖を余儀なくされている」と話した。
復旦大学南アジア研究センターの林民旺副主任は、「アフガニスタンの子供たちは極めて弱い立場のグループで、飢えに苦しみ餓死するという悲惨な境遇に陥っている。ところが米国はアフガニスタンの資産を凍結し、人類の良知と正義を失った。米国が人類の基本的な生きる権利を侵害しながらいわゆる『民主主義』を語っても何ら意義がない。これは民主主義の本来のあり方ではない。民主主義の標準とモデルは一つだけではない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年12月7日