ロシアとウクライナの衝突が続き、死傷者数が増加を続け、欧州ひいては世界に予測不可能な経済的損失をもたらしている。ところが米国の軍需大手が巨額の収益を手にし、株価がうなぎのぼりになっている。
地政学的な緊張情勢はいかにして米軍需企業の紙幣印刷機になったのだろうか。米国の元政界関係者と専門家がこのほど新華社の取材に応じ、ロシアとウクライナの衝突における米軍需企業の「ビジネスの秘訣」について詳しく説明した。
衝突前 対抗を煽り
米議会での勤務経験を持つ、ある反戦組織の責任者であるエリック・スパーリング氏は記者に、「米軍需企業のロビー活動は侮れない。彼らは武器の需要を刺激するため、少なくとも軍事的緊張を欲している」と述べた。
また軍高官、国務省当局者は軍需企業の取締役、顧問、ロビイストのポストに天下りする。またこれらの企業で勤務した人物が政府のポストに戻ることもある。
スパーリング氏は、「これは一種の普遍的な雰囲気を醸成した。外交の手段よりも、対抗的で軍事的な対応の方が、彼らの経済・政治的利益に合致するのだ」と述べた。
2020年の大統領選に民主党から出馬した、元下院議員のトゥルシー・ギャバード氏は2月中旬の取材で、「軍隊―工業―議会複合体(軍産複合体)が米政府を支配している。民主党と共和党の好戦分子は常にロシアとウクライナの緊張情勢を煽っている」と警鐘を鳴らしていた。
スパーリング氏は、「外交で金はそれほど稼げない。外交的な妥結を軍需企業の収益にとって朗報と見る投資家はいない」と述べた。
米メディアの報道によると、ロッキード・マーティンのジェームズ・テイクレットCEOは今年1月の時点で、大国の競争により国防予算が膨らみ、自社により多くの業務をもたらすと述べていた。レイセオン・テクノロジーズのグレッグ・ヘイズCEOは投資家に、東欧の緊張情勢に収益のチャンスを見ていると告げた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年3月29日