ノーベル経済学賞の受賞者で「ユーロの父」と呼ばれるロバート・マンデル氏は2日、国際金融投資博覧会の開幕式で、「世界が通貨を統一することを願う人は少なくないが、これは不可能だ。だが私は、アジアが欧州のように一つの統一された通貨システムをもてるようになることを願っている。中国人民元に期待している」と述べた。「国際金融報」が伝えた。
その一方でマンデル氏は次のように指摘した。アジアの情況は欧州とは大きな違いがある。アジアの政治的な調和レベルは欧州に及ばない。欧州の統一によってユーロには発展の余地が生まれたが、アジアでは(統一によって)国防をめぐり一定の懸念が生じる可能性がある。だが今後20年間には、中国の急成長が「アジアドル」の誕生を促す可能性がある。アジアドルについて、中国は今は多大な努力をすべき時ではなく、やはり人民元の安定にこそ主な力を注ぐべきだ。
人民元の国際化の道について、マンデル氏は「人民元の国際化には多くの長所があるが、国際化を中国に強いてはならない。人民元国際化の条件は、中国に力強い金融市場があることだが、このために強硬的な措置を取ることはできないし、すべては経済発展が十分になるのを待ってからのことになる」と述べた。
モルガンスタンレーグレーターチャイナエリアの王慶チーフエコノミストによると、一国の通貨の国際化は、経済発展の自然な流れの結果であるべきで、国際化を目標にすることはできない。人民元の国際化プロセスには数十年が必要とみられる。
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